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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻4号

1988年04月発行

文献概要

カラーグラフ 眼と全身病

悪性リンパ腫の眼部発病

著者: 宇山昌延1

所属機関: 1関西医科大学眼科

ページ範囲:P.704 - P.705

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 体に発生した悪性リンパ腫はしばしば眼にも発病する.しかも体の他部の発病が目立たないうちに,眼に初発して発病することがよくある.眼に発病するときにはむしろこのようなことの方が多く,われわれは診断の確定に困ることがあると共に,体の方の検査で内科医のお世話になっている.その意味で内科医の方々,とくに血液・免疫の専門の方々には,悪性リンパ腫の眼の発病が多いことをよく知っていてもらいたい.
 悪性リンパ腫が眼に発生する場合には2つの発病の仕方がある.1つはまず眼窩に発生するもので,眼窩腫瘍の形で発病する.しかも眼窩の前部,とくに眼険皮下と球結膜下の腫瘤形成として発病することが多い.著しい眼球突出と球結膜の充血,浮腫,球結膜下に腫瘤形成をみる.これらの部位に腫瘍細胞がびまん性に増殖し浸潤している.しばしば発育がきわめて速やかで,腫瘤が急速に成長し,著しい眼瞼の腫脹,充血を示し,眼球突出,球結膜の充血,浮腫,腫脹を伴って急性に発病し,一見,眼窩蜂窩織炎のような外観を示すことがある(図1).触診すると皮下,球結膜下にびまん性の腫瘤形成を触れる.高齢者に多く,高齢性の眼球突出の1つとして頻度が多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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