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カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断
手術により弁病変を確認しえた僧帽弁逸脱の1例
著者: 大木崇1 福田信夫1 内田知行1 林真見子1 奥本哲生1 森博愛1
所属機関: 1徳島大学医学部第2内科
ページ範囲:P.708 - P.717
文献購入ページに移動1)心音図(図2)
心尖部(Apex)に強大な収縮期雑音(SM)を認める(Levine 4/6度).この雑音はI音とほぼ同時に始まり,II音大動脈弁成分〔IIA;心尖部では不明であるが,第3肋間胸骨左縁(3L)で明瞭である〕を越えて持続しているため,逆流性雑音と考えられる.拡張期には著明なIII音(III)およびそれにひき続くランブル〔DM(1)〕を認める(Levine 1/6度).このランブルは持続が短く,いわゆるCarey-Coombs雑音(房室血流の増大による相対的僧帽弁狭窄雑音)である.I音は減弱化し,僧帽弁開放音も低調な振動を認めるのみである.
以上の心音図所見より,本例はかなり高度の逆流を有する慢性の僧帽弁閉鎖不全が想定され,その原因は非リウマチ性,中でも腱索断裂や重症の僧帽弁逸脱の可能性が高い.
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