icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻4号

1988年04月発行

文献概要

カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

手術により弁病変を確認しえた僧帽弁逸脱の1例

著者: 大木崇1 福田信夫1 内田知行1 林真見子1 奥本哲生1 森博愛1

所属機関: 1徳島大学医学部第2内科

ページ範囲:P.708 - P.717

文献購入ページに移動
■心音図・心機図所見
 1)心音図(図2)
 心尖部(Apex)に強大な収縮期雑音(SM)を認める(Levine 4/6度).この雑音はI音とほぼ同時に始まり,II音大動脈弁成分〔IIA;心尖部では不明であるが,第3肋間胸骨左縁(3L)で明瞭である〕を越えて持続しているため,逆流性雑音と考えられる.拡張期には著明なIII音(III)およびそれにひき続くランブル〔DM(1)〕を認める(Levine 1/6度).このランブルは持続が短く,いわゆるCarey-Coombs雑音(房室血流の増大による相対的僧帽弁狭窄雑音)である.I音は減弱化し,僧帽弁開放音も低調な振動を認めるのみである.
 以上の心音図所見より,本例はかなり高度の逆流を有する慢性の僧帽弁閉鎖不全が想定され,その原因は非リウマチ性,中でも腱索断裂や重症の僧帽弁逸脱の可能性が高い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up

本サービスは医療関係者に向けた情報提供を目的としております。
一般の方に対する情報提供を目的としたものではない事をご了承ください。
また,本サービスのご利用にあたっては,利用規約およびプライバシーポリシーへの同意が必要です。

※本サービスを使わずにご契約中の電子商品をご利用したい場合はこちら