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雑誌目次

雑誌文献

medicina25巻5号

1988年05月発行

雑誌目次

今月の主題 肝炎への新しいアプローチ Editorial

肝炎へのアプローチ—現状,将来

著者: 戸田剛太郎

ページ範囲:P.764 - P.767

 肝炎はその持続期間によって,急性肝炎,慢性肝炎とに分けられる.急性肝炎治療上の重点は劇症化の予防であり,慢性肝炎管理上の重要な点は肝硬変への進展を阻止することである.
 肝炎のetiologyはウイルス,薬剤,自己免疫性機序,α1-antitrypsin欠損症,Wilson病などさまざまである.

肝炎理解のために

肝炎ウイルスはどこまで解明されたか

著者: 三田村圭二

ページ範囲:P.769 - P.771

 肝炎ウイルスのうち,A型肝炎ウイルス,B型肝炎ウイルスが分離同定され,予防の段階に入っている.しかし,なお,解明されなければならない点も多い.B型肝炎ウイルスをヘルパーウイルスとするデルタ肝炎ウイルスも核酸の塩基配列の解明までなされてきている.非A非B型肝炎ウイルスのうち,幸いにしてわが国には現在までのところ存在していない,経口感染で伝播する肝炎ウイルスは,その分離もなされつつある.残された最大の難物である主として血液を介して伝播する非A非B型肝炎ウイルスはなおその姿を現してはこない.しかし,やがてはその分離,同定が多くの人々の努力によりなされるであろう.

薬物性肝障害発症のメカニズム

著者: 溝口靖紘

ページ範囲:P.772 - P.774

 薬物による肝障害は,直接の代謝障害による肝障害と過敏性反応による肝障害に大別される.しかし,実際の臨床面では症状が薬物投与後一定の感作期間を経て発現し,薬物の投与量より,むしろ生体の感作状態に左右される薬物アレルギーに起因する肝障害の方がはるかに重要である.
 ここでは中毒性肝障害および薬物アレルギー性肝炎の発生機構について述べる.

肝細胞障害はどうして起こるか

著者: 池田有成 ,   戸田剛太郎 ,   岡博

ページ範囲:P.775 - P.777

 肝細胞の障害機序として,肝炎ウイルスの直接的作用によるという考え方を支持する結果は今までに得られておらず,免疫学的機序による肝細胞障害が考えられるようになった.
 Tリンパ球やマクロファージ,NK細胞などによる肝細胞障害あるいは抗体の関与したADCC(antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity)や免疫複合体による障害などが検討されて来たが,agammaglobulinemiaの患者に慢性肝炎が成立している事実は液性免疫の関与の限界を示している.

肝炎の診断

臨床症状から—ウイルス性肝炎を中心に

著者: 戸田剛太郎

ページ範囲:P.778 - P.781

 現在,臨床症状のみで急性肝炎の診断がなされることはほとんどないといってよいであろう.しかし,臨床症状は確定診断に至るための最初のきっかけをつくるものであり,この意味で一般日常診療のうえで重要な意味を持つといえる.本稿では主に急性ウイルス肝炎の臨床症状について述べる.
 急性肝炎の初発症状として倦怠感,食欲不振などの重要性は従来より指摘されているところである.しかし,"肝炎らしくない"症状も時にみられる.すなわち,急性肝炎における皮膚症状,関節炎,関節痛(serum sickness-like syndrome),あるいは合併症としての再生不良性貧血,また慢性B型肝炎ウイルス感染における結節性動脈炎,リウマチ性筋肉痛,膜性腎症,本態性混合クリオグロブリン血症である.これらは肝外症候(extrahepatic manifestation)と呼ばれる.

臨床検査から

著者: 銭谷幹男

ページ範囲:P.782 - P.785

 肝炎の診断における肝機能検査法の意義は大きいが,それぞれの検査法には,その提供する情報に限界があることを十分に理解し,臨床的に得られた所見に基づき適切な検査法の選択および組み合せを考慮して,診断価値を高めることが必要である.
 表1に日本消化器病学会肝機能研究班(1981年)より提示された検査項目を示す.それぞれの疾患については本特集の項目により詳述されているので,ここではこの表に示される肝機能検査成績をもとに,以下に診断のポイントを概説する.下図に種々の肝病態と肝機能検査の対応を示すが,この関係を理解したうえで,診断を進めることが大切である(図).

HAV,HBV,HDV関連抗原抗体系—データをどう考えるか

著者: 倉井清彦

ページ範囲:P.786 - P.787

 今日では,A型肝炎ウイルス(HAV),B型肝炎ウイルス(HBV),D型(デルタ)肝炎ウイルス(HDV)などの各種肝炎ウイルス関連の抗原,抗体の測定が広く行われるようになり,肝障害の病因診断に役立っている.本稿では,それらの抗原,抗体の測定法ならびにその測定結果の解釈について概説する.

画像から

著者: 川嶌隆 ,   原田尚

ページ範囲:P.788 - P.791

 肝炎の診断は臨床像ならびに生化学検査成績が基本となり,最終的には肝生検像よりなされるのは言うまでもない.しかし,臨床の場において画像診断の果たす役割は大きく,近年,ますますその比重の増す傾向にある.
 肝炎に対する画像診断の意義としては,1)肝炎の重症度の把握および予後の推定,2)慢性化の有無およびその程度の診断,3)合併症の診断,4)他の疾患との鑑別などがあげられ,臨床上広く用いられている.

病理組織像から

著者: 太田康幸 ,   金岡光雄

ページ範囲:P.792 - P.796

 肝炎の病理組織学的診断は,1939年,RoholmとIversenによって導入された肝針生検法に負うところが多い.針生検による診断は,Vim-Silverman針,Menghini針などを用いる.穿刺針の直径(0.8mm〜1.8mm)や深さ(10mm〜25mm)によって,採取される肝組織片の大きさが異なるが,肝表面に比較的近い所から得られる組織片を用いて診断される.これは肝臓全体のおよそ5万分の1に過ぎないために,sampling errorの可能性が大きいことは否定できない.しかし,本稿で扱うウイルス性,薬物性,アルコール性,自己免疫性肝炎は,肝硬変と違って,いずれもび漫性に肝小葉を障害するために,2〜3の肝小葉を見るだけで確信をもって診断ができる(Scheuer,1980).現実に,Thaler, H. の名著Leberkrankheiten(1982)1)には,ウイルス肝炎,急性肝炎後の状態についての肝生検による診断率はそれぞれ98%,99%となっており,診断が不能であったものは,それぞれ2%,1%と記載されている.
 本稿では成因を異にする肝炎の診断に際して肝生検組織から得られる所見,相互の鑑別について述べる.

急性肝炎へのアプローチ

急性ウイルス肝炎—鑑別診断

著者: 谷川久一 ,   佐田通夫

ページ範囲:P.798 - P.799

 急性ウイルス性肝炎は原因ウイルスにより,臨床症状,経過,予後,予防対策に若干の相違点が認められる.ここでは鑑別しなければならない肝疾患と各ウイルス性肝炎の鑑別を中心に述べる.

急性ウイルス肝炎—慢性化,重症化をいかに予防するか

著者: 田中栄司 ,   古田精市

ページ範囲:P.800 - P.802

 急性ウイルス肝炎は本来self limitingな疾患であり,定型的な経過をとる場合は非常に予後の良い疾患である.しかし,一部の症例ではウイルスの持続感染に伴い慢性化したり,また他の一部の症例では広範な肝細胞壊死に伴い劇症肝炎に移行する症例が見られる.現在の段階では,急性ウイルス肝炎の慢性化および劇症化を確実に予防する方法はないが,これらをあらかじめ予測し,臨床的に対処していくことは重要である.
 本稿では急性ウイルス肝炎の臨床上,常に問題となる慢性化および劇症化について実際的な観点からまとめた.

急性ウイルス肝炎—予防

著者: 上村朝輝 ,   小島秀男 ,   宮島透 ,   市田文弘

ページ範囲:P.804 - P.805

■A型肝炎
 A型肝炎患者の発症前から発症直後の糞便にはA型肝炎ウイルス(HAV)が排出される.このため経口感染によりHAVが伝播されて,A型肝炎の発生や流行が生じる.感染を受けてから発症までの潜伏期は3〜4週であるが,糞便中のウイルス量は発症前の1週間前後が最も多く感染性が高いようである.代表的な感染経路としては,1)水系感染,2)食品とくに魚介類の汚染,3)発展途上国における海外での感染などがある.
 HAVの感染を受けると,A型肝炎として発症する場合でも,不顕性感染となった場合でも,いずれもIgG型HA抗体が持続陽性化し,HA抗体保有者となる.HA抗体保有者はその後HAVの感染の機会があっても抗体によりHAVが中和され,再感染は起こらない.わが国におけるHA抗体の年齢別保有率の調査では,HA抗体保有者は35〜40歳より上昇し,50歳前後で約80%の抗体保有率を示している1)

薬剤性肝炎—鑑別診断

著者: 宮村拓郎 ,   浪久利彦 ,   内田重行 ,   駒田敏之 ,   中島恒子 ,   北見啓之

ページ範囲:P.806 - P.809

 多種多様の薬剤が使用されている今日,薬剤使用例に発生した急性肝障害においては,薬剤の種類にかかわらず,常にその関与を考慮する必要がある.薬剤性肝炎は中毒性とアレルギー性とに大別分類されるが,薬剤の発売に際して厳重なチェックが行われている現在では,いわゆる肝臓毒に属する薬剤による肝障害をみることは少ない.しかし,イソニアジドによる代謝性特異体質異常反応型の肝障害や,スルホンアミド類,PAS,フェナセチン,リファンピシン,性ホルモン,蛋白同化ステロイドなどによるビリルビン代謝障害型の肝障害,また,テトラサイクリン系抗生物質,抗腫瘍薬,アセトアミノフェンなどの大量服用時に起こる中毒性肝障害は現在でもみられるものであり,このような中毒性肝障害の存在は常に念頭におかねばならない1).これら少数の中毒性肝障害を除けば,実地臨床の場で遭遇する薬剤性肝障害のほとんどはアレルギー性であり,以下にその特徴とウイルス性肝炎との鑑別点について,自験例,すなわち薬剤アレルギー性肝炎276例,急性B型肝炎50例,急性散発性非A非B型肝炎20例との比較検討した成績を中心に述べた.

薬剤性肝炎—治療と予後

著者: 川崎寛中 ,   加藤誠一 ,   岸本幸広

ページ範囲:P.810 - P.811

 薬剤性肝炎の治療にあたってもっとも大切なことは,できるだけ早期に診断し,起因薬剤の投与を中止することである.近年,薬剤性肝炎の薬物療法をめぐって種々の進歩がみられる.

アルコール性肝炎—発症メカニズムと臨床像

著者: 蓮村靖

ページ範囲:P.812 - P.813

■アルコール性肝炎とは
 アルコール性肝炎とは,常習飲酒者において,アルコールに起因した肝細胞の変性・壊死性変化と炎症反応が生じた病態をさす.
 アルコールによって生ずる肝細胞の変性は,脂肪化(fatty change),風船様腫大(ballooning),アルコール硝子体(Mallory bodies)形成といった特有な形態学的形状を示し,また肝内の炎症反応も多くは好中球浸潤の形をとるので,アルコール性肝炎は,とくにその典型例は,ウイルス性肝炎や薬剤性肝炎などとは明らかに異なった特徴のある肝組織所見を呈する.

アルコール性肝炎—診断,治療,予後

著者: 高瀬修二郎 ,   高田昭

ページ範囲:P.814 - P.816

 わが国におけるアルコール(以下Al)性肝障害の特徴の一つとして,典型的なAl性肝炎の頻度が欧米に比較して明らかに少ないことが知られているが,近年では飲酒量の増加につれてAl性肝炎の頻度も増加してきている.ここではAl性肝炎の診断,治療および予後について略述することとする.

劇症肝炎—急性肝炎の劇症化の予知とその対策

著者: 藤原研司 ,   富谷智明

ページ範囲:P.818 - P.819

■劇症肝炎とは
 劇症肝炎とは,肝のfunctional massの著明な減少を来し,肝不全状態から脳症などの重篤な症状を来す急性肝炎の特殊なものである.本邦では表1のように定義され,診断基準では(表2),肝のfunctional mass低下を,肝蛋白合成能の指標としてプロトロンビン時間,解毒代謝能の指標として肝性昏睡を用い,それぞれ40%以下,II度以上と定めている.

劇症肝炎—成因と疫学

著者: 杉原潤一 ,   武藤泰敏

ページ範囲:P.820 - P.822

 劇症肝炎 fulminant hepatitisは急性肝不全 acute (fulminant) hepatic failureの代表的な疾患であり,本邦でいう劇症肝炎はウイルス性以外にも薬剤性(中毒性は除く)も含んでいる.一方,欧米では,fulminant hepatitisはウイルス性のものに限定されており,従って本邦でいう劇症肝炎は,欧米のfulminant hepatitisよりも広義であるといえよう.本項では劇症肝炎(急性肝不全)の成因および疫学について,本邦と欧米の報告を中心に述べる.

劇症肝炎—治療

著者: 与芝真

ページ範囲:P.824 - P.827

 厚生省難治性肝炎斑会議の劇症肝炎分科会では,昭和49年から全国の主要医療施設を対象にアンケート調査を行い,わが国の劇症肝炎について年次別の集計をしている.それによると昭和49年以来,昭和59年までは16%台から30%弱へと着実に上昇していた生存率が,60年には再び16%へと落ち込んでしまった.その理由はいろいろに分析されようが,要は,このことは,この間に普及した血漿交換(PE)とインスリンーグルカゴン(G-I)療法が決して決定的治療にはなり得ないことを示唆しており,わが国の劇症肝炎解決の道遠しを実感させる.
 一方,欧米では肝移植の普及と共に,劇症肝炎も対象疾患とされ,特に予後不良の非A非B型劇症肝炎については積極的に肝移植を行い,良好の生存率が得られているという.わが国でも臓器移植再開への風潮と共に,現在の肝補助型治療に見切りをつけ,「劇症肝炎肝移植待望論」が大手を振って歩くようになるかもしれない.結局,わが国の従来からの肝補助型の治療は,理論的に,また,実現可能になったら実際的にも,肝移植に道を譲らなければならないのだろうか.筆者はそうは思わない.しかし,欧米の肝移植に対抗して,劇症肝炎の予後を本質的に向上させるには,現在のわが国の治療方法を飛躍的に変革していく必要がある.

術後肝炎の鑑別

著者: 小俣政男 ,   高野進

ページ範囲:P.828 - P.830

 手術前に肝障害の無い患者における術後肝炎の発生頻度は基準の選び方により大きく異なる.またその原因についても多くのものが考えられるが,本稿では臨床的に問題となることの多い輸血後肝炎,薬剤性肝炎(ハローセン肝炎を含む),手術に伴うその他の因子に大別し検討する.

慢性肝炎へのアプローチ

慢性肝炎の原因と鑑別診断

著者: 大西三朗

ページ範囲:P.831 - P.833

 慢性肝炎は肝生検法の普及により,肝硬変に至る病理形態学的過程を把握することにより明らかにされた病態,疾患概念であり,6カ月以上に及ぶ肝の慢性炎症性疾患と規定される.その確定診断は基本的に肝臓の組織学的所見によりなされる.慢性肝炎の組織学的分類はヨーロッパ分類,Fogarty分類,およびわが国のウイルス肝炎を念頭においた犬山分類などが提唱され,必ずしも一致が見られていない.いずれも間質,殊に門脈域における単核球浸潤,線維増生を診断基準として基本視しているが,最近ではchronic lobular hepatitis,bridging necrosisなどの肝実質壊死の意義を加味した改訂がなされている(表1).
 肝の病理形態学に基づいた慢性肝炎は種々の病因,病態を含んでおり,A型,B型肝炎ウイルスの発見,ウイルスの分子生物学的研究,また免疫学の著しい進歩などにより,包括的な疾患概念である慢性肝炎のpathogenesisは個々の病因に基づいて解明されつつある.

慢性肝炎の活動性のとらえ方—臨床検査による

著者: 赤羽賢浩

ページ範囲:P.834 - P.836

 慢性肝炎の概念はわが国と欧米では差異がみられる.わが国では,6カ月以上肝臓に炎症が持続している病態を慢性肝炎とし,原因として主として肝炎ウイルスの感染を想定している.さらに肝臓の病理組織所見により,活動性activeと非活動性inactiveに分類しているが,これはstage分類であり,相互に移行がみられることがある点が付記されている.
 一方,ヨーロッパ分類あるいは国際分類と呼ばれる欧米の分類では,chronic persistent hepatitisとchronic aggressive (active) hepatitisに分類されているが,この分類は病型分類を志向しており,後者は肝硬変への進展の可能性を秘めた疾患とされている.また原因に関しても,B型,非A非B型肝炎ウイルスの他に,自己免疫性肝疾患やアルコール,薬剤,炎症性腸疾患,代謝性疾患など種々のものが含有されている.

自己免疫性肝炎の診断と治療

著者: 黒木哲夫 ,   小林絢三 ,   門奈丈之 ,   山本祐夫

ページ範囲:P.838 - P.841

 自己免疫性肝炎の概念は,自己肝細胞を標的抗原とした自己免疫性肝障害であり,慢性肝炎のなかでも特異な位置を占める.その定型例がMack-ayら1)により報告されたルポイド肝炎である.MackayらはLE細胞現象陽性でSLEに類似した症状を示す活動性慢性肝炎をルポイド肝炎,SLEに合併する軽度の肝障害をhepatic lupusと命名して,両者を病因的に異なるものとした.さらにMackayらはその病態を広義に解釈し,LE細胞現象陰性であっても自己抗体陽性で,臨床的に自己免疫性肝障害が強く示唆されるものを自己免疫性肝炎として提唱した.

慢性肝炎と代謝性肝疾患との鑑別

著者: 松嶋喬

ページ範囲:P.842 - P.844

 わが国の慢性肝炎は,一部自己免疫性のものを除くと,ほとんが肝炎ウイルスの持続感染に起因している.一方,代謝異常によって進展する肝障害,例えば銅の蓄積するウィルソン病,鉄の沈着するヘモクロマトーシスなどは,ともに経過とともに肝障害は進展するが,肝硬変へ進展するまでは肝疾患としての自他覚的所見は乏しい.しかし,これらの疾患では,肝障害と同時に他臓器の病変も合併する.先天性代謝異常による脂質,ムコ多糖の蓄積症は稀な疾患であり,一方,肥満,アルコール過剰摂取に起因する脂肪肝は,日常しばしば遭遇する病態で慢性肝炎との鑑別が困難なこともある.
 本稿では,慢性肝炎とこれら代謝異常による肝障害との非観血的手段による鑑別診断について述べてみることにしたい.

B型慢性肝炎再燃(schub)と急性肝炎との鑑別

著者: 矢野右人 ,   川口豊

ページ範囲:P.845 - P.847

 B型急性肝炎はHBウイルスに感染後平均8週より12週程度の潜伏期の後に食思不振,倦怠感,黄疸などの症状で発病する.潜伏期を観察すると発症前4週目頃より血中にHBs抗原が出現し,次第に増加している.感染ウイルスの増殖に対し,宿主の免疫応答が細胞性免疫の機序により肝細胞を破壊し,増殖したウイルスをクリアーしようとする現象が急性肝炎症状として現れる.
 一方,B型慢性肝炎は原則として生涯持続するHBウイルスのキャリアーでHBウイルス量が宿主免疫応答の閾値を越える増殖があった場合,急性肝炎と同様に細胞性免疫機序で肝細胞を破壊し,HBウイルスをクリアーしようとする現象である.しかし,慢性肝炎では細胞性免疫はこれらのHBウイルス増殖を完全に排除することは出来ず,その後のHBウイルス増殖によって再度の肝機能異常を来し,このような現象を繰り返すのが特徴である.

慢性肝炎の予後判定と管理

著者: 瀧野辰郎 ,   香川恵造 ,   奥野忠雄

ページ範囲:P.848 - P.851

 慢性肝炎はわれわれが日常診療で取り扱う肝疾患のうちで最も患者数の多い疾患である.慢性肝炎の病因としてはウイルス,薬剤,アルコール,自己免疫異常,代謝異常などがあげられ,その病態は決して単純なものではない.従って,慢性肝炎の管理においては,その病因を十分に把握し,経過や予後を熟知しておく必要がある.たとえば,自己免疫性肝炎の代表であるルポイド肝炎はきわめて活動性が強く,進行性で早期に肝硬変に移行しやすいが,ステロイド療法により効果が期待できるものである.しかし,これを日常の診療でみる慢性肝炎と同一視することは問題が多いように思われる.一般に,本邦における慢性肝炎はその多くがウイルス起因と考えられており,この点については犬山シンポジウムの診断基準にもり込まれているとおりである.
 本稿では,慢性肝炎の予後判定について概説し,同時に慢性肝炎患者の生活面での指導についても述べてみたい.

慢性ウイルス肝炎の治療法の選択

著者: 辻孝夫

ページ範囲:P.852 - P.856

 慢性ウイルス肝炎の病因ウイルスとしては,大きく分けてB型肝炎ウイルス(HBV)と非A非B型肝炎ウイルス(HNANBV)の2種類が存在することが知られ,後者は現在,ウイルスマーカーは不明であるが,さらに2種類以上あることが知られている.そして,これら肝炎ウイルスによる肝細胞壊死発生機序についての詳細は不明の点が多いが,B型肝炎を中心に症例の疫学的な追跡調査や実際に治療をした場合の臨床経過は,ほぼその全貌が明らかになり,B型を中心に,最近ではNANB型でも免疫調節剤や抗ウイルス剤が積極的に用いられている.
 一方,慢性ウイルス肝炎の病型としても急性から移行したばかりの慢性肝炎初期例からほとんど肝硬変に近い末期例まで幅広く存在することがわかっており,最近では,これら肝炎の治療法も画一的に行われるのではなく,症例の病型別による治療法の選択が問題になってきている.

座談会

肝炎への新しいアプローチ

著者: 清沢研道 ,   溝口靖紘 ,   与芝真 ,   戸田剛太郎

ページ範囲:P.860 - P.871

 戸田(司会) 今日は「肝炎への新しいアプローチ」ということでいろいろなお話をお聞きしたいのですが,できるだけpracticalな方向で話をしていきたいと思っております.もちろんpracticalな医療の場においては,やはり理論的な背景はどうしても必要です.従って,それについてもわかりやすい範囲内で付け加えていただきたいと思っております.

理解のための10題

ページ範囲:P.874 - P.876

カラーグラフ 眼と全身病

サルコイドーシスの眼症状

著者: 宇山昌延

ページ範囲:P.880 - P.881

 サルコイドーシスは全身諸臓器を侵し,肉芽腫性炎症を発病する.発病部位としてリンパ節,肺が最も注目され,その他,心筋,筋肉,肝などにも現れる.特に,肺外症状としては眼と皮膚の発病の多いことが紹介されているが,眼の発病は頻度が高く,重篤である.眼病変による視力障害はサルコイドーシスによる最も重篤な合併症であることが十分認識されていない.
 眼にはぶどう膜炎を発病する.その他,眼窩に皮膚サルコイドーシスの狼瘡が発生したり,眼窩内に肉芽腫を作り,眼窩腫瘍の形で発病することもあるが珍らしい.

非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

特異な三尖弁逆流と短絡血流動態を示した心房中隔欠損症の1例

著者: 福田信夫 ,   大木崇 ,   河野和弘 ,   井内新 ,   陳鴻 ,   森博愛

ページ範囲:P.890 - P.899

■心音図・心機図所見
 1)心音図
 図1は各部位の心音図を,図2は3カ所の同時記録心音図を示す.I音は心尖部(Apex)で著しい減弱を示すが,第5肋間胸骨左縁の外側(5L lat.)では正常に近い音量を有する(ただし出現時相は若干早い).これら両所見より,僧帽弁成分(IM)の減弱が示唆され,後者のI音は三尖弁成分(IT)であると判断できる.本例におけるIMの減弱およびITの早期出現には,PQ時間の延長傾向(0.18秒)が関与している.すなわち,心房収縮後の房室弁閉鎖が心室収縮開始に比して早期に生じるためである.
 II音の幅広い分裂(約45msec)を認め,肺動脈弁成分(IIP)は著しく充進し,触知が可能である.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.883 - P.889

心電図演習

著者: 白鳥健一

ページ範囲:P.901 - P.905

 心不全の既往がある58歳の主婦が,症状増悪し,入院した.
 既往歴 特になし.
 家族歴 母,心疾患で死亡.詳細不明.
 現病歴 8年前,偶然に心雑音を指摘され,自覚症状はなかったが通院していた.2年4カ月前,急に夜間息苦しさが出現し,起坐呼吸となり,救急病院を受診し治療した.以後,通院治療していたが,最近労作時の動悸,息苦しさ,全身疲労感などが増強したため,精査治療目的で入院した.

内科専門医による実践診療EXERCISE

高血圧,四肢脱力/めまい

著者: 安田元

ページ範囲:P.907 - P.910

 56歳の男性,坐業.家族歴,既往歴に特記事項なし.3年前より,定期健康診断で高血圧を指摘され精査を推められたが放置.最近になって頭重感,倦怠感,四肢の脱力感を覚えるようになった.近医を受診し,やはり血圧が高いことをいわれ,降圧剤を投与された.しかし,先の自覚症状は治まるどころかかえって悪化し,不安感を禁じえず,精査を求めて入院した.諸検査は7gNaCl食,投薬中止後行った.
 理学的所見:身長160cm,体重65kg,血圧226/128mmHg,脈拍72/分 整.胸部,呼吸音 清,心音 純.腹部,肝腎脾触知せず,血管雑音なし.下肢 浮腫なし,病的反射なし,軽度の知覚異常を伴う.

講座 肺癌診療・3

早期の肺癌を見つけるには—X線診断・その2

著者: 山田耕三 ,   江口研二

ページ範囲:P.912 - P.920

肺野型肺癌
 肺野型肺癌は,単純X線像で肺野に異常影を発見することが,唯一の手がかりであるが,単純X線写真上で実際に読影が容易な範囲は少ない.縦隔部すなわち中央陰影に重なる部分,両横隔膜下に広がっている部分,鎖骨や肋骨に重なる部分では陰影を把握できないことが多い.また肺の実質構造は含気した3次構造のため,既存の肺構造の状態によって陰影の性状も変化する.つまり周囲の肺実質の含気の程度や,陰影内の含気の量によっても陰影の形,濃度なども変化してしまう.例えば,上下葉間に接している病変であれば,正面写真で徐々に濃度が変わり,境界が不鮮明になるであろうし,肺の気腫性変化が強ければX線透過度の関係で病変自体の濃度は薄く表現されてしまう.
 これらの基本的なことを念頭に置き,本稿では肺野型肺癌の読影について述べる.

胃癌診断・2

胃癌はどこまで救命できるか—X線診断の限界と胃集検方法の改善よりみた救命率

著者: 西澤護 ,   志賀俊明

ページ範囲:P.922 - P.925

有病率からみたX線診断の限界
 前号で述べたように,胃集検受診者よりアトランダムに選び出された50歳以上の男女14,720人に対し「間接X線 要精検100% 直接X線 要精検100% 細径パンエンドスコープ」という方式で,結局全例に精密な細径パンエンドスコープを行い,有病率を算出した結果,50歳以上の男性から2.0%,女性から0.89%,早期癌の割合が71%という値が得られた。
 これらの発見された進行癌64例,早期癌160例について,X線フィルムを見直してみると,図1のように間接X線で病変のチェックができるものは進行癌で90%,早期癌で30%,直接X線で病変のチェックできるものは進行癌で95%,早期癌で60%であった.

患者行動のマネジメント・1

臨床一般におけるコンプライアンス問題

著者: 今中雄一

ページ範囲:P.926 - P.932

□患者コンプライアンスの意義
 臨床の場で,正確で信頼性の高い情報を得,有用な診断テストを選択し,その結果を解釈し,現実的な予後を見通し治療計画をたて,実際にその治療を行うことが,臨床医学実践のための基礎科学1)(臨床疫学,臨床決断分析など)の応用により,ますます向上する.この一連の科学的臨床実践の段階で,患者が医療者の処方を守らない(あるいは守れない)場合には,そこに至るまでの痛々しい努力と綿密な計画は水泡に帰してしまう.ここで,患者コンプライアンスへの行動科学的アプローチが重きをなしてくる.患者の協力を得る,すなわちコンプライアンスを高めるということが,健康の維持・回復といった医療目的の達成に不可欠であることは言うまでもない.
 ここでいう「患者コンプライアンスcompli-ance」,あるいは単に「コンプライアンス」とは,「患者の行動が,服薬,食餌,生活様式変容といった点で医療者により臨床的になされた処方とどれだけ一致しているかの程度2),あるいは一致している状態」を意味する.

検査

検査データをどう読むか

著者: 五味邦英

ページ範囲:P.934 - P.938

 患者:26歳,女性.主訴:全身倦怠感,食欲不振,悪心,嘔吐.現病歴:2週間前より全身倦怠感が強く,数日前よりときどき嘔吐があり,食欲不振となった.このころより尿の色調が濃く,微熱(37℃)があり近医を受診し,肝機能異常を指摘され,本院内科を紹介され,入院となる.既往歴:特記すべきことなし.輸血,海外旅行の経験はない.入院時所見:体格中等度,意識正常,眼球結膜黄染,肝は2横指右肋弓下触知,軽度の圧痛あり.腹水,クモ状血管腫,脾腫,リンパ節腫脹は認められない.腱反射は正常で,その他の神経学的異常はみられなかった.

循環器疾患診療メモ

おもな救急薬の投与方法

著者: 山科章 ,   高尾信廣

ページ範囲:P.940 - P.941

 心停止,重症心不全,心原性ショック,重症不整脈などは,緊急治療を必要とするmedical emergencyであり,初期の適切な治療がその予後を決定するといって過言でない.その中で薬物療法はきわめて重要な位置を占めている.
 即座の判断と,適切な処置が要求される救急の場にあって,適切な薬物を,適切な量,適切な経路で投与することがきわめて重要である.最適な投与量,投与法は病態,年齢,体重,肝腎機能などにより個々の症例で異なるはずであるが,救急の場においては,まず標準的な投与を行い,それに対する反応をみながら変更してゆくのが一般的である.

実践診療dos and don'ts

医師の不安,他

著者: 山田治

ページ範囲:P.767 - P.767

 川崎医大総合診療部の外来でみる患者は紹介状を持たず,受付看護婦の聞き取りでも,明確な専門が不明な患者が受診する.
 38歳の男性が,血便を主訴として受診した.日頃から,下痢と便秘を交互に繰り返しており,ここ数日は便秘していたとのことで,硬い排便後に,新鮮な血液が滴り落ちた,と心配そうに訴える.貧血は認めず,血圧や脈拍も正常で,全身状態は良好である.型通りの直腸指診と肛門鏡により内痔核を認めた.患者に出血の原因は痔核からのものであり,緩下剤と坐薬の挿入を行うように説明した.しかし,患者から「それ以外の部位からの出血の可能性はないか?」,「消化管の悪性腫瘍は大丈夫か?」と矢継ぎ早に尋ねられ,「ひょっとすれば」という自分の不安もあり,注腸検査,上部消化管造影を指示した.悪性疾患の可能性は少ないと考え,2週間先の検査予定を入れ,その間薬剤を使用するように指示した.2週後に患者は現れず,しばらくして患者と会ったところ,検査の予定日までとても不安で待ちきれず,すぐ翌日,他の胃腸科を受診し,検査を受けたとのことであった.検査上異常は認めず,同じ病名を告げられたという.しかし,本人は検査を済ませ,やっと安心できたとのことであった.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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