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今月の主題 肝炎への新しいアプローチ 急性肝炎へのアプローチ
急性ウイルス肝炎—予防
著者: 上村朝輝1 小島秀男1 宮島透1 市田文弘1
所属機関: 1新潟大字医学部・第3内科
ページ範囲:P.804 - P.805
文献購入ページに移動A型肝炎患者の発症前から発症直後の糞便にはA型肝炎ウイルス(HAV)が排出される.このため経口感染によりHAVが伝播されて,A型肝炎の発生や流行が生じる.感染を受けてから発症までの潜伏期は3〜4週であるが,糞便中のウイルス量は発症前の1週間前後が最も多く感染性が高いようである.代表的な感染経路としては,1)水系感染,2)食品とくに魚介類の汚染,3)発展途上国における海外での感染などがある.
HAVの感染を受けると,A型肝炎として発症する場合でも,不顕性感染となった場合でも,いずれもIgG型HA抗体が持続陽性化し,HA抗体保有者となる.HA抗体保有者はその後HAVの感染の機会があっても抗体によりHAVが中和され,再感染は起こらない.わが国におけるHA抗体の年齢別保有率の調査では,HA抗体保有者は35〜40歳より上昇し,50歳前後で約80%の抗体保有率を示している1).
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