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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻5号

1988年05月発行

カラーグラフ 非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

特異な三尖弁逆流と短絡血流動態を示した心房中隔欠損症の1例

著者: 福田信夫1 大木崇1 河野和弘1 井内新1 陳鴻1 森博愛1

所属機関: 1徳島大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.890 - P.899

文献概要

■心音図・心機図所見
 1)心音図
 図1は各部位の心音図を,図2は3カ所の同時記録心音図を示す.I音は心尖部(Apex)で著しい減弱を示すが,第5肋間胸骨左縁の外側(5L lat.)では正常に近い音量を有する(ただし出現時相は若干早い).これら両所見より,僧帽弁成分(IM)の減弱が示唆され,後者のI音は三尖弁成分(IT)であると判断できる.本例におけるIMの減弱およびITの早期出現には,PQ時間の延長傾向(0.18秒)が関与している.すなわち,心房収縮後の房室弁閉鎖が心室収縮開始に比して早期に生じるためである.
 II音の幅広い分裂(約45msec)を認め,肺動脈弁成分(IIP)は著しく充進し,触知が可能である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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