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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻6号

1988年06月発行

文献概要

Current topics

ミトコンドリアミオパチー

著者: 埜中征哉1 山本雅彦1 古賀靖敏1

所属機関: 1国立精神神経センター神経研究所微細構造研究部

ページ範囲:P.1078 - P.1089

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 ミトコンドリアは細胞内にあって,エネルギーを産生する重要な小器官である.ミトコンドリアはエネルギーを大量に必要とする横紋筋(骨格筋,心筋,外眼筋など)や中枢神経系に多く存在する.もしミトコンドリアに何らかの異常がくると,主として上記諸臓器の症状,すなわち筋力低下,外眼筋麻痺,知的退行,けいれんなどをみるのは当然のことである.
 ヒトでミトコンドリア異常を最初に報告したのはLuftら(1962)1)といわれている.Luftらは甲状腺機能は正常であるのに,やせ,多汗,多飲,発熱など基礎代謝が亢進した35歳の女性を経験し,それがミトコンドリアの酸化的燐酸化の異常によって起こることを見出した.彼らは生検筋のミトコンドリアの形態学的異常を指摘し,さらに分離したミトコンドリアの生化学的検索も行い,ミトコンドリア異常に起因すると結論づけたのである.類似の症例はDiMauroら2)によっても追加報告され,現在ではLuft病の名が与えられている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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