icon fsr

文献詳細

雑誌文献

medicina25巻6号

1988年06月発行

文献概要

講座 胃癌診断・3

胃癌はどこまで救命できるか—各種検診方法と救命率・発見率・効率との関係

著者: 西澤護1 志賀俊明2

所属機関: 1東京都がん検診センター 2東京都がん検診センター内科

ページ範囲:P.1102 - P.1104

文献購入ページに移動
 前号(25巻5号)で,胃集検対象者すなわち健康人全例に細径パンエンドスコープを精密検査レベル(1日,10人)で行った場合発見された胃癌の救命率は86%,胃集検の立場では73%〜83%(ただし進行癌の5生率50%,早期癌の5生率100%とした場合)と推定された.また,毎年確実に逐年検診を行った同一集団(職域)では,X線検査のみでスクリーニングおよび精密検査を行った場合の救命率は75%,細径パンエンドスコープをスクリーニングに組み入れた特殊な方式をとれば96%まで救命率を上げることができることを述べた.
 しかし,救命率(a)だけでは,救命しうる癌をどの位みつけたかはわからない.すなわち,多数の人数をこなしても助かる癌の数が多くなくては,癌の死亡率の減少につながらない.すなわち,救命しうる癌の発見率(b)が必要である.さらに上述の値は,検診方法の違いによる仕事量も一定でない.そこで,一定の仕事量からどの位癌が発見されるかという効率(c)も無視できない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

雑誌購入ページに移動
icon up
あなたは医療従事者ですか?