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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 高血圧治療のポイント 特殊な高血圧の治療

慢性腎炎,腎不全による高血圧の治療

著者: 保利敬1 小野山薫1

所属機関: 1九州大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.1168 - P.1169

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■高血圧の頻度
 1)透析導入前
 図1は,腎生検により原発性糸球体腎炎と診断された210例について,血清クレアチニン値と拡張期血圧の程度を示したものである.血清クレアチニン値が3.0mg/dl以上のいわゆる腎不全患者では,拡張期血圧が100mmHg以上を示す高血圧が60%に認められ,正常腎機能患者での10.3%と比較すると,明らかに高率であった1).透析導入直前の末期腎不全患者について,病歴,臨床所見から慢性糸球体腎炎が原疾患と考えられた症例では,83%が境界域高血圧ないしは高血圧を呈していた.
 2)透析導入後
 図2は,509例の慢性血液透析例と71例の透析導入直前症例における高血圧の頻度を示した2).前述のごとく,透析療法直前に高頻度に認められた高血圧は,血液透析導入後に減少し,さらに血液透析歴が増すにつれて次第に減少する傾向が認められた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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