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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻7号

1988年07月発行

文献概要

今月の主題 高血圧治療のポイント 合併症を伴った高血圧の治療

狭心症を伴った高血圧,心筋梗塞後の高血圧

著者: 酒井喜久雄1 竹下彰1

所属機関: 1九州大学医学部・循環器内科

ページ範囲:P.1182 - P.1183

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 狭心症や心筋梗塞症などの虚血性心疾患は,冠動脈の動脈硬化病変に基づく疾患である.高血圧が冠動脈病変の発症と,その進展を促進させる重要な危険因子の1つであることが,FraminghamStudyなどにより明らかにされている.
 近年,各種の降圧薬の出現により,血圧の確実なコントロールが可能となり,脳血管障害や高血圧性心臓病,腎不全などの発症は有意に減少した.しかし,虚血性心疾患の発症頻度は,降圧治療によって減少していないことが明らかにされてきた1).とくにサイアザイド利尿薬治療群では,非治療群に比し心疾患の発生率がむしろ高いことが報告されている2).サイアザイド利尿薬の脂質代謝への影響が問題になっている.
 狭心症や心筋梗塞症を合併した高血圧患者を治療する場合,虚血性心臓病の病態生理をよく理解し,かつ降圧薬の薬理作用に十分配慮して降圧薬を選択する必要がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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