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今月の主題 高血圧治療のポイント 鼎談
これからの高血圧治療—降圧薬をどう使い分けていくか
著者: 三浦幸雄1 塩之入洋2 猿田享男3
所属機関: 1東北大学医学部・第2内科 2横浜市立大学医学部・第2内科 3慶応義塾大学医学部・内科
ページ範囲:P.1208 - P.1222
文献購入ページに移動猿田(司会) 高血圧の治療法は,最近大分変わってきました.10年ぐらい前まではあまりたくさんの薬がなかったものですから,治療といっても非常に単純であったし,治療方針も昔ながらの,たとえば血圧が160/100以上とか,拡張期血圧が105以上あれば治療しようというような簡単なやり方でした.しかし,その後急速にいろいろな薬が市販され,今は降圧薬が洪水状態です.そういう状態で,先生方は一体どうやって降圧薬を使っていかれるか,さらに,多くの薬にどのくらい差があるのかなど,話し合ってみたいと思います.それから,一体高血圧のどのレベルから治療したらよいだろうかという点も重要です.
そのほか,日本人の寿命がずいぶん延びて高齢者が多くなってきましたので,年齢も考えた高血圧の治療も重要になってきたと思います.たとえば,30歳から80歳ぐらいまでの人を,まったく同じ治療法で治療してよいとは思えません.日本人の栄養状態が変わり,高脂血症や糖尿病の頻度が多くなりました.このような種々の合併症を伴った高血圧患者の治療をどうするのか,大切な問題です.
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