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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻8号

1988年08月発行

文献概要

今月の主題 老人診療のポイント 治療および処置上の注意点

尿失禁

著者: 大井好忠

所属機関: 1鹿児島大学医学部・泌尿器科

ページ範囲:P.1350 - P.1350

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 先天性神経因性膀胱から夜尿症を含めると,尿失禁の原因または病態は多岐にわたる.老年者における尿失禁では加齢による身体的要因だけでなく,脳・脊髄疾患,代謝性疾患,感染症,泌尿器科的疾患が原因となっていることが多い.従って尿失禁にだけ目を向けて対処するのではなく,原因疾患を正しく診断して,治療方針を決定することが大切である.
 そのためには中枢神経系の検査,血液生化学検査,頭部CT像を含めたX線学的検査に加えて,尿水力学的検査(urodynamic examinatin)を施行して判定されるべきである.泌尿器科的一般検査を除外することは出来ない.正常排尿は膀胱と尿道の協調運動によりもたらされるので,当然尿失禁では膀胱排尿筋の過活動か尿道括約筋の収縮力低下が要因となることが多い.しかし前立腺肥大症などでは充満失禁(overflow incontinence)がみられる.尿管腟瘻・膀胱腟瘻でも常時尿失禁がある.老年者の代表的尿失禁について治療上の問題点を述べる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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