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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻8号

1988年08月発行

今月の主題 老人診療のポイント

治療および処置上の注意点

腰痛

著者: 辻陽雄1

所属機関: 1富山医科薬科大学・整形外科

ページ範囲:P.1351 - P.1353

文献概要

■老人腰痛の原因
 65歳以上の高齢者にみられる腰痛・下肢痛の原因は,青壮年期のそれと比べ,それほど単純ではない.一般的にいって腰痛を生じるのは大多数が脊椎,なかんずく腰椎,腰仙椎の機能障害にもとつくものであり,それは,脊柱の運動と支持を司どっている脊椎機能単位の退行性変性に起因していることが多い.
 青壮年者ではこれら退行性変性のむしろ初期ないし中期に該当する諸変化—椎間板ヘルニア,脊椎辷り症,いわゆる椎間関節性腰痛症,Schmorl結節,Kantenabtrennungなど—が主体をなすのに反し,高齢者では退行変性の終末像が多い他,骨自体の脆弱性すなわち骨粗鬆症の併発,あるいは少なからず癌の脊椎転位をみることが指摘できる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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