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講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・6
狭心症
著者: 鰺坂隆一1
所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科
ページ範囲:P.1432 - P.1438
文献購入ページに移動 狭心症とは,広義には一過性の心筋虚血により生ずる「胸痛」を主徴とする症候群と定義することができる.狭心症の中には大動脈弁狭窄症に伴うそれのように診断名というよりは1症候と考えうるものも含まれる.しかし,狭義には狭心症は冠動脈に,器質的あるいは機能的な狭窄を有する冠動脈疾患の1病型である.心筋虚血があっても自覚的徴候を認めないものは無痛性虚血(silentischemia)と呼ばれ,病歴上胸痛を全く認めないものは無痛性虚血性心疾患といわれ,狭心症とは区別される.また,この場合の冠動脈とは一般的には冠動脈造影法により造影されうる太い冠動脈(いわゆるepicardial coronary artery)を意味する.冠動脈の細動脈病変によっても狭心症を生じうるが,これはむしろ稀であるかもしれない.
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