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新薬情報
エレン〔山之内〕
著者: 清川重人1 水島裕1
所属機関: 1聖マリアンナ医科大学・第1内科
ページ範囲:P.1464 - P.1465
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高齢化社会の進展に伴い,自発性の低下,情緒障害,知的機能低下などの多彩な精神症状を有する脳血管障害,老年痴呆などの疾患が急増し,また,これらの患者を看護する家族の精神的経済的負担は多大なものがあり,近年,社会問題の1つとして大きくクローズアップされている.とくに日本に多いといわれている脳血管障害後遺症は脳代謝,脳循環,脳神経伝達の低下と関連して発現するといわれており,脳代謝賦活薬,脳循環改善薬,向精神薬などが治療薬として使用されているが,これら薬物の使用によっても必ずしも満足すべき改善効果が得られていないのが現状である.
山之内製薬中央研究所において開発されたエレン(一般名:塩酸インデロキサジン)は従来の脳代謝賦活薬とは異なり,セロトニン(5-HT),ノルエピネフリン(NE)およびドパミン(DA)を伝達物質とする脳神経系の伝達機能をバランスよく促進するとともに脳エネルギー代謝をも促進することによって,低下した脳機能を改善するものと考えられる.本剤は1982年より臨床試験が開始され,脳梗塞後遺症,脳出血後遺症,脳動脈硬化症に伴う意欲の低下,情緒障害の改善に有用性が認められている.
高齢化社会の進展に伴い,自発性の低下,情緒障害,知的機能低下などの多彩な精神症状を有する脳血管障害,老年痴呆などの疾患が急増し,また,これらの患者を看護する家族の精神的経済的負担は多大なものがあり,近年,社会問題の1つとして大きくクローズアップされている.とくに日本に多いといわれている脳血管障害後遺症は脳代謝,脳循環,脳神経伝達の低下と関連して発現するといわれており,脳代謝賦活薬,脳循環改善薬,向精神薬などが治療薬として使用されているが,これら薬物の使用によっても必ずしも満足すべき改善効果が得られていないのが現状である.
山之内製薬中央研究所において開発されたエレン(一般名:塩酸インデロキサジン)は従来の脳代謝賦活薬とは異なり,セロトニン(5-HT),ノルエピネフリン(NE)およびドパミン(DA)を伝達物質とする脳神経系の伝達機能をバランスよく促進するとともに脳エネルギー代謝をも促進することによって,低下した脳機能を改善するものと考えられる.本剤は1982年より臨床試験が開始され,脳梗塞後遺症,脳出血後遺症,脳動脈硬化症に伴う意欲の低下,情緒障害の改善に有用性が認められている.
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