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文献詳細

雑誌文献

medicina25巻9号

1988年09月発行

文献概要

今月の主題 カルシウム代謝と骨 内分泌疾患と骨

クッシング症候群

著者: 多久和陽1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・代謝内分泌内科

ページ範囲:P.1538 - P.1539

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 内因性グルココルチコイドの過剰産生を特徴とするクッシング症候群は,グルココルチコイド過剰に基づく種々の代謝異常を呈する.このうち,鉱質代謝の異常は著しい骨量の喪失や,尿路結石症として臨床的に問題となる.骨形態学的研究から本症にみられる骨量の減少(osteopenia)は骨粗霧症(osteoporosis)の一種であることが明らかにされている.同様の骨量の減少は,各種疾患の治療のために,生理量以上のグルココルチコイドを長期間投与された,いわゆる医原性クッシング症候群の患者にも認められる.
 臨床的に典型的な症状,徴候を呈する自然発症性クッシング症候群の患者では,その40%〜50%の頻度でX線学的に骨粗鬆症の所見が認められると報告されている.また医原性クッシング症候群においては,患者の性,年齢,グルココルチコイド治療の対象となる基礎疾患の種類,用いたステロイドの種類,量,投与の期間などにより骨粗霧症の頻度および程度は異なる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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