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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻1号

1989年01月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・11

リウマチ性僧帽弁膜症

著者: 石光敏行1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.162 - P.167

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病因
 リウマチ熱は,心炎,多発性関節炎,発疹,皮下結節,舞踏病などの症状を特徴とする疾患(表1)である.この疾患はA群連鎖球菌による咽頭炎に引き続いて起こる.急性期に重篤な心炎で死亡する場合もあるが,重要なのは心内膜,とくに弁および弁下構造物に,進行性の器質的障害をきたし,その結果,弁の狭窄あるいは閉鎖不全を生じることである.リウマチ熱は,通常5歳から15歳までの小児が罹患し,6歳から8歳にかけて最も高率に発病する.第二次大戦前には12歳以下の小児の10%から15%が本症に罹患したと推定されているが,抗生物質使用の普及とともに激減し,現在都市部においては発病の報告がほとんどない.
 弁膜症は,心炎を伴ったリウマチ熱患者の50%で発病後10年以内に出現し,15%では10年以上たって出現する(図1).残りの35%は恒久的な心障害を生じることなく治癒する.弁病変としては僧帽弁狭窄が最も多く,Bland and Jonesらの報告によれば,僧帽弁狭窄を有さないリウマチ性弁膜症は316例中の27例にしかすぎない1)

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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