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講座 肺癌診療・8
肺癌に対する外科治療の現況
著者: 近藤晴彦1 成毛韶夫1
所属機関: 1国立がんセンター・外科
ページ範囲:P.168 - P.175
文献購入ページに移動 近年における肺癌患者の増加は,部位別にみた悪性新生物による訂正死亡率で人口10万人あたり男17.1人,女6.1人(1986年)と第2位となっており,第1位の胃癌が漸次減少傾向がみられるのと比較して,肺癌は男女とも増加の一途を辿っており,社会的にも憂慮される問題となってきている1).
この肺癌に対しての根治的治療法としては現在までのところ,残念なことに外科的切除のみであるといわざるをえない.しかし,外科的治療の対象となるものは全肺癌患者の30%内外にすぎず,また根治切除がなされたものでも再発率が高く,外科切除のみの治療成績も十分満足のゆく段階ではないというのが現況である.このため,現在,臨床面では,早期肺癌発見2),より有効な抗癌剤の開発,拡大切除の試み,neoadjuvant chemother-apyに代表される,全身化学療法と外科治療・放射線治療などを組み合わせた集学的治療の試みなど,様々な試行がなされている.
この肺癌に対しての根治的治療法としては現在までのところ,残念なことに外科的切除のみであるといわざるをえない.しかし,外科的治療の対象となるものは全肺癌患者の30%内外にすぎず,また根治切除がなされたものでも再発率が高く,外科切除のみの治療成績も十分満足のゆく段階ではないというのが現況である.このため,現在,臨床面では,早期肺癌発見2),より有効な抗癌剤の開発,拡大切除の試み,neoadjuvant chemother-apyに代表される,全身化学療法と外科治療・放射線治療などを組み合わせた集学的治療の試みなど,様々な試行がなされている.
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