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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 尿検査

3.尿pH

著者: 佐藤隆1 下条文武1 荒川正昭1

所属機関: 1新潟大学医学部・第2内科

ページ範囲:P.1632 - P.1633

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●異常値を示す疾患
 正常人の尿は,弱酸性でpH6.0程度であるが,食事の内容によってpH4.5〜8.0の間を変動する.動物性食品では酸性,植物性食品ではアルカリ性に傾きやすい.発熱,下痢,脱水では酸性となり,激しい運動後には一過性のlactic acidosisにより酸性になることが多い.尿pHには日内変動があり,睡眠時は換気量の減少のため呼吸性acidosisとなり,酸性尿になる.午前中には,夜間に蓄積したHCO3-が排泄されるために,アルカリ尿となる.また,食後には,胃酸が分泌され,血液がalkalosisに傾き,アルカリ尿となる.
 腎における酸塩基平衡の調節は,①H+の排泄,HCO3-の再吸収,②リン酸,乳酸などの滴定酸の生成,③NH4+の排泄などにより行われている.ネフロンの近位部では,大量のH+が排泄されるが,糸球体濾液中のHCO3-によって中和されるため,pHの変動は少ない.しかし,ネフロンの後半では,HCO3-が少ないため,H+の分泌に伴って,pHは低下する.最終的に,尿のpHを決定するのは集合管以下である.尿のpH異常をきたす疾患を表に示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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