文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 尿検査
10.尿クレアチン,クレアチニン
著者: 酒井紀1 小倉誠1
所属機関: 1東京慈恵会医科大学・第2内科
ページ範囲:P.1646 - P.1647
文献購入ページに移動クレアチンおよびクレアチニンは,いずれも腎臓から排泄される.腎糸球体で濾過されたクレアチンは,通常近位尿細管においてほとんどが再吸収される.その排泄閾値は約0.6mg/dlであり,血中濃度がそれ以上になった場合に,明らかなクレアチン尿が出現する.一方,クレアチニンは腎糸球体を自由に通過するが,尿細管で再吸収も分泌もされず尿中に排泄される.このため血中クレアチニン濃度が上昇するのは,主に腎排泄機能が低下した場合である.なお,クレアチニンはクレアチンから,毎日ほぼ一定量生成されるため,尿中排泄量は筋肉量に見合った量と考えられる.
掲載誌情報