medicina26巻10号

1989年09月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント　第4集

髄液および穿刺液検査

21．髄液蛋白

著者： 高瀬貞夫¹

所属機関： ¹東北大学医学部附属脳疾患研究施設，神経内科

ページ範囲：P.1674 - P.1676

文献概要

●異常値を示す疾患
　正常髄液の2/3は脈絡膜叢より，1/3は脳や脊髄の実質組織より産生され，その蛋白成分はほとんどすべて血清より移入したものである．一方，各種疾患ではそれぞれの病態を反映して総蛋白量の増加ならびに蛋白組成の異常が認められる．その異常病態は，①血清蛋白の髄液への移入増加，②血液中の蛋白異常が二次的に髄液に反映する．③中枢神経組織の変性崩壊に伴う組織成分の濾出，などの場合が考えられている．