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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液検査

29.白血球数

著者: 大西昌之1 柴田昭1

所属機関: 1新潟大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.1696 - P.1698

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●異常値を示す疾患
 白血球数の増加は腫瘍性に増殖する白血病と反応性に増加する白血病以外の疾患に大別される.白血球は好中球,好酸球,好塩基球,単球,リンパ球より成るが,種々のサイトカインがこれら細胞の造血に関与することが知られている.colonystimulating factor(CSF)は顆粒球マクロファージ系の造血因子の総称である.図にヒトのCSFの作用機序を示すが,GM-CSF(granulocyte-macrophage-CSF),G-CSF(granulocyte-CSF),M-CSF(macrophage-CSF)の3種が骨髄移植例をはじめとした臨床例に試みられてその有用性が認められている1,2)
 白血病以外の疾患,特に感染症や組織破壊性の疾患ではこれらの造血因子が産生され,未知の因子も含めて病巣の局所,および全身性に働き反応性に好中球数を増加させると考えられる.好酸球は主にアレルギー性疾患や寄生虫疾患において特徴的に増加する.好塩基球の増加は絶対数が少ないため直接算定法で算定しないと把握し難い3)が,慢性骨髄性白血病や粘液水腫,ネフローゼ症候群などで増加する.表1(1)に白血病を除く白血球増加の主な原因を列挙する.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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