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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液検査

35.赤血球酵素

著者: 藤井寿一1

所属機関: 1東京女子医科大学・輸血部

ページ範囲:P.1714 - P.1715

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●異常値を示す疾患
 赤血球酵素活性の異常値を示す疾患は大別して,①遺伝性溶血性貧血,②溶血以外の赤血球異常を呈するもの,③血液疾患以外の疾患で赤血球酵素活性測定が診断に役立つもの,④後天性疾患の診断に役立つもの,に分けられる(表).ほとんどの場合,酵素活性低下を示す場合が問題となる.ただし,アデノシンデアミナーゼは例外で,活性低下は重症複合免疫不全症を呈するが,活性増加の場合もあり,この場合は遺伝性溶血性貧血をきたす.
 赤血球酵素活性測定を必要とする疾患は,まず,遺伝性溶血性貧血で遺伝性球状赤血球症などの赤血球膜異常や不安定ヘモグロビン症などのヘモグロビン異常が否定され,なお原因不明の遺伝性非球状性溶血性貧血の症例があげられる.赤血球酵素異常による遺伝性溶血性貧血の原因となる酵素は表に示した15種が明らかになっている.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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