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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液検査
37.毛細管抵抗試験と出血時間
著者: 松野一彦1
所属機関: 1北海道大学医学部附属病院・検査部
ページ範囲:P.1718 - P.1719
文献購入ページに移動 毛細管抵抗試験は,毛細血管に圧をかけ赤血球が血管外に漏れやすいかどうかをみることにより,毛細血管の抵抗を検査するものである.方法としては,吸引カップで皮膚に陰圧をかけて毛細管の抵抗をみる陰圧法と,マンシェットを用いて圧を加え,前腕からの静脈の血流を抑えて毛細管の抵抗をみる陽圧法(Rumpel Leede試験)がある.毛細血管の構造や透過性の要因の他に,血小板や線溶因子なども関与している.血小板,凝固,線溶検査が進歩した現在では,以前に比べ臨床的価値は低くなっているが,血管性出血傾向の数少ない簡便な検査として今なお用いられている.
一方,出血時間も古くから行われてきた止血検査であるが,出血の際に血小板が内皮下組織に粘着し,凝集・放出を介して血小板血栓を形成し一次止血を完了するまでの経過を総合的に把握できる検査として,現在も臨床的意義は大きいと考えられる.わが国では従来より耳朶を穿刺するDuke法が用いられてきたが,精度,再現性ともに悪く,一次止血における血小板-血管内皮細胞の反応を詳細に検討するには不適である.最近はこれに代わる方法として,40mmHgの駆血下に前腕の皮膚に一定の切創を加えるtemplate Ivy法,およびそれに準拠しディスポーザブルの器具を用いるSimplate法が採用されてきている.
一方,出血時間も古くから行われてきた止血検査であるが,出血の際に血小板が内皮下組織に粘着し,凝集・放出を介して血小板血栓を形成し一次止血を完了するまでの経過を総合的に把握できる検査として,現在も臨床的意義は大きいと考えられる.わが国では従来より耳朶を穿刺するDuke法が用いられてきたが,精度,再現性ともに悪く,一次止血における血小板-血管内皮細胞の反応を詳細に検討するには不適である.最近はこれに代わる方法として,40mmHgの駆血下に前腕の皮膚に一定の切創を加えるtemplate Ivy法,およびそれに準拠しディスポーザブルの器具を用いるSimplate法が採用されてきている.
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