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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液検査
43.フィブリンモノマーとフィブリノペプタイドA,B
著者: 松田保1
所属機関: 1金沢大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.1730 - P.1731
文献購入ページに移動●トロンビン形成の証明
血管内にフィブリンを生じ,血管を閉塞すると,血栓症を生ずるが,フィブリンの形成にはトロンビンの存在が必要である.何らかの原因によってトロンビンを生ずると,生じたトロンビンは,フィブリノゲン分子を分解してフィブリノペプタイドA(FPA),フィブリノペプタイドB(FPB)を分離してフィブリンモノマーとなる.生じたフィブリンモノマーは互いに重合してフィブリンポリマーとなるが,重合が進んでフィブリンポリマーの分子量が大きくなると,水に溶けにくくなり血液中から固体として析出してくる.これが血液の凝固である.
血栓傾向の存在を証明できれば,治療上便利であり,この点,血管内にトロンビンを生じていることを証明することができれば理想的である.しかし,血管内に生じたトロンビンは,生じたフィブリンに急速に吸着され,また,アンチトロンビンIIIと血管壁のヘパリノイドの作用によって活性を失うので,直接血中のトロンビンを測定するのは不可能である.
血管内にフィブリンを生じ,血管を閉塞すると,血栓症を生ずるが,フィブリンの形成にはトロンビンの存在が必要である.何らかの原因によってトロンビンを生ずると,生じたトロンビンは,フィブリノゲン分子を分解してフィブリノペプタイドA(FPA),フィブリノペプタイドB(FPB)を分離してフィブリンモノマーとなる.生じたフィブリンモノマーは互いに重合してフィブリンポリマーとなるが,重合が進んでフィブリンポリマーの分子量が大きくなると,水に溶けにくくなり血液中から固体として析出してくる.これが血液の凝固である.
血栓傾向の存在を証明できれば,治療上便利であり,この点,血管内にトロンビンを生じていることを証明することができれば理想的である.しかし,血管内に生じたトロンビンは,生じたフィブリンに急速に吸着され,また,アンチトロンビンIIIと血管壁のヘパリノイドの作用によって活性を失うので,直接血中のトロンビンを測定するのは不可能である.
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