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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集

血液検査

47.フィブリン分解産物(FDP)

著者: 依藤寿1 池松正次郎1

所属機関: 1東京医科大学・臨床病理学教室

ページ範囲:P.1738 - P.1739

文献概要

 FDPとはフィブリノゲンあるいはフィブリンのプラスミン分解(線溶)による数多くの分解産物の総称である.1分子のフィブリノゲンの分解では,X分画,Y分画を経て最終的には1分子のE分画と2分子のD分画が生成されるが,おのおのの分画にもプラスミン分解程度がわずかに異なるためいくつかの亜分画が存在している.一方,凝固過程でクロスリンクを受けた安定化フィブリンのプラスミン分解では,高分子の分解中間産物やDD/EさらにはDダイマーという終末分解産物が出現する(図).このFDPの出現は,直接に生体内に線溶現象が起きていることを意味するため,その測定はDIC,血栓症ならびに血栓溶解治療などの診断や経過観察に確固たる位置を占めるようになってきた.このためFDPの検出には各種の測定法が開発され,FDPの全体を半定量的に捉える方法や,より詳細な,病態把握や治療効果の判定を目的とした定量性あるいは分画特異性を有する方法などがある.しかし反面測定法により標準値も大きく異なるため,測定値を直接比較することが困難であるという問題がある.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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