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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 免疫血清検査

74.T,Bリンパ球

著者: 中原一彦1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院・検査部

ページ範囲:P.1802 - P.1803

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 以前,単一細胞と思われていたリンパ球の中に,種々の役割の異なる細胞集団(サブセット)があることが判明し,それらサブセットと各種疾患との関係が次第に明らかとなってきた.リンパ球サブセットの中には,大きく分けて,胸腺の中で分化成熟するTリンパ球と,それ以外の場所(骨髄,扁桃などが示唆されているが未確定)で分化成熟するBリンパ球とに分けられる.Tリンパ球は主として細胞性免疫を,Bリンパ球は液性免疫を司り,お互いに密接な関係を保ちながら免疫機構を制御している.
 T,Bリンパ球分画を検索するのに,従来は,Tリンパ球であれば,ヒツジ赤血球がヒトのTリンパ球に特異的に付着する性質を利用したEロゼット形成試験,Bリンパ球であれば,ポリクローナルな抗免疫グロブリン抗体を用いた細胞表面免疫グロブリンの検索,もしくはBリンパ球のFcレセプターによるEAロゼット形成試験,補体レセプターによるEACロゼット形成試験が主として用いられてきた.しかし最近ではヒトのTリンパ球,Bリンパ球に対するモノクローナル抗体が数多く作製され,螢光標識したモノクローナル抗体と,それを実際に分析するフローサイトメーターとにより,以前に比べ客観的な結果が比較的手軽に得られるようになったため,現在では以前のロゼット法などの方法にとってかわってモノクローナル抗体による方法が使われるようになってきた.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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