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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 免疫血清検査

88.AFP(α-fetoprotein)

著者: 石井勝1

所属機関: 1埼玉県立がんセンター・臨床検査部

ページ範囲:P.1836 - P.1837

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●異常値を示す疾患
 健康成人および小児の血清α-fetoprotein(以下,AFP)は10ng/ml未満である.乳児の血清AFPは,出生直後がもっとも高値で数万〜10万ng/mlで,その後漸減し,生後9カ月前後で10ng/ml未満に達する.したがって,生後10カ月以降の健康人の血清AFPは10ng/ml未満であり,異常値は10ng/ml以上である.
 AFPは原発性肝細胞癌と卵黄嚢腫瘍(ヨークサック腫瘍)のすぐれた腫瘍マーカーである.原発性肝細胞癌および卵黄嚢腫瘍患者の血清AFPは著しく高値のことが多い.この2疾患以外に血清AFPが異常値を示す疾患として,胃癌,膵癌などの消化器癌,特に転移性肝癌,良性疾患としては急性および慢性肝炎,肝硬変症,乳幼児期の疾病として乳児肝炎,肝芽腫,転移性神経芽細胞腫,肝間葉性過誤腫,肝血管腫,先天性疾患として先天性胆道閉塞症,チロシン血症,ataxia telangiectasia,さらに妊娠などが挙げられる.
 血清AFPが異常値を示す場合,血清AFP値の程度によって疾患を考える必要があるが,高濃度異常値(2,000ng/ml以上),中濃度異常値(2,000〜200ng/ml),低濃度異常値(200〜10ng/ml)別の各疾病を表1に示した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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