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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液化学検査

103.HDLコレステロール

著者: 野間昭夫1

所属機関: 1岐阜大学医学部・臨床検査医学

ページ範囲:P.1876 - P.1877

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 高比重リポ蛋白(high density lipoprotein;HDL)が動脈硬化性疾患で低下することは以前から推察されていたが,リポ蛋白分析法の不完全さや動脈硬化促進因子としての低比重リポ蛋白(low density lipoprotein;LDL)の重視によって,それほど注目されていなかった.しかし,1975年にMillerらによって虚血性心疾患でHDLコレステロール(HDL-C)が低いことが示され,その後Framingham studyなどによって低HDL-Cが冠動脈疾患の独立した危険因子であることが統計的に証明されてから,HDLの増減が注目されるようになってきた.
 しかし,これらはすべて疫学的な証明であり,HDLが動脈硬化進展防止において,いかなる役割を果たしているかは必ずしも完全に解明されているわけではない.ただHDLがいわゆるコレステロール逆転送系に重要な働きをしていることは確実であろう.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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