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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 血液化学検査

111.グアニジノ化合物

著者: 石崎允1

所属機関: 1仙台社会保険病院・腎センター

ページ範囲:P.1894 - P.1895

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●腎疾患とグアニジノ化合物(GC)
 尿毒症病態発現と血中メチルグアニジン(MG)濃度との関係は,Giovannettiらにより動物実験で証明されて以来,わが国でのGC測定法の画期的な開発,とくに中島らの酵素法の開発がなされ,慢性腎不全の病態解明の手段として使用されつつある.MGはそれ自体強力なUremic Toxinであるが,青柳らはクレアチニンから活性酸素,なかでもヒドロキシル・ラジカルの存在でMGが異常産生されるとした.すなわち,MGの測定により,慢性腎不全患者の活性酸素の動態を把握することが可能である.とくに血中MG値とクレアチニン値の比は,長期透析患者の適性透析の指標として,その重要性がクローズ・アップされてきた.
 つぎに,腎機能の良好な腎疾患患者でも,尿細管障害の程度によりグアニジノ酢酸(GAA)の尿中排泄量が減少する.GAAも白兼らの酵素法による測定法が開発され,大量の検体処理が可能になった.従来の腎機能の指標として使用されてきたクレアチニン・クリアランスや尿中NAGでは,腎炎などの病態把握ができない場合があったが,尿中GAA排泄量を測定することにより,その低下で腎組織障害の存在が示唆される.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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