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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 内分泌機能検査
150.抗利尿ホルモン(ADH)
著者: 斉藤寿一1
所属機関: 1自治医科大学・内分泌代謝科
ページ範囲:P.1996 - P.1997
文献購入ページに移動血漿ADHの値は生理的にも,多量の飲水後には測定感度以下に低下し,また長時間の飲水制限や立位の後では10pg/mlを越えて上昇し,幅の広い変動を示す.一方,臨床的にADHの低下を示す尿崩症や相対的な高値を示すSIADHでも,血漿ADHの絶対値は多くがこの生理的変動域の範囲内にとどまっている.その点で,測定されたADH濃度が疾病を反映する異常であるか否かがまず評価されなくてはならない.それには,血漿浸透圧に照らして相対的に決まるADHの正常域から測定値がどのように変移しているかを判定しなければならない(図1).次に異常な低値または高値であると判定されたときに,これが視床下部下垂体後葉系自体の異常に由来するのか,それともその分泌調節系に影響する血圧や有効循環血液量の異常であるのかが決定されなければならない.
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