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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 内分泌機能検査
154.副甲状腺ホルモン
著者: 山本逸雄1 森徹2
所属機関: 1京都市立病院内科 2京都大学医学部・分子病診療学
ページ範囲:P.2006 - P.2007
文献購入ページに移動副甲状腺ホルモン(PTH)のアッセイは,近年,IRMA法によるintact PTH(PTH-1-84)のアッセイの開発1)や,あるいはC末端フラグメントのアッセイにおける高感度のmid-Portionアッセイの開発により飛躍的に進歩した.ともにキットとして発売され2,3),わが国の大手のアッセイラボにおいても採用され,広く用いることが可能となっている.
副甲状腺より分泌されたPTH-(1-84)は肝臓にてPTHの中間部つまり,33と34位の間や37と38位の間などが切られ,それぞれN末端とC末端のフラグメントに分解される.肝において生じたC末端フラグメントには生物活性はなく,腎にて代謝される.一方,N末端フラグメントはPTH-(1-84)と同等の生物活性を有するが,末梢血中では検出されず,末梢血中で極めて早く代謝されてしまうか,あるいは肝より流出してこないものと考えられる.末梢血中の生物活性のあるPTHは,したがって,PTH-(1-84)が主体である.C末端フラグメントの末梢血中の代謝速度は,PTH-(1-84)の約1/10と遅く,その末梢血中濃度はPTH-(1-84)に比し約10倍高く,従来のC末端フラグメントに対する抗体を用いたC端アッセイや,mid-portion(CフラグメントのN末端よりに対する抗体を用いている)アッセイではほとんどが生物活性のないPTHフラグメントを測定していた.
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