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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻10号

1989年09月発行

文献概要

増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 腎機能検査

165.クレアチニンクリアランス

著者: 折田義正1 福原吉典1 柿原昌弘1 鎌田武信1

所属機関: 1大阪大学医学部・第1内科

ページ範囲:P.2034 - P.2035

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 1921年Van Slykeが尿素クリアランスなる概念をはじめて確立した.その後,この概念は内因性・外因性の諸種物質のクリアランス測定へと応用され,糸球体機能,尿細管機能,腎の血行動態を定量的にとらえることができるようになった.
 今,単位時間(通常分単位)の尿量をV(通常ml),ある物質Xの尿中濃度をUx,血漿中濃度をPxとすれば,Xの腎クリアランスCxは,Cx(ml/分)=Ux・V/Pxで表される.ここでは腎クリアランスの中で頻用されているクレアチニンクリアランス(Ccr)について概説する.クレアチニン(Cr)は糸球体で主として限外濾過された後,尿細管で一部排泄される(10〜40%)ため,イヌリンクリアランス(Cin)のように,真の糸球体濾過値(GFR)を反映しない.しかし,正常者や軽度の腎機能低下者ではCcr/Cin=1.16でよく一致する(表1).Crは骨格筋の終末代謝産物で内因性物質であるため,尿素窒素ほど食事の影響を受けず,その血中濃度および尿中排泄量の日内変動が少ない.また,負荷を必要としないため頻回の測定が可能である.さらに,至適尿量は1〜2ml/min前後で,極端な乏尿や利尿時は避けなければならない.しかし,USAの腎不全保存療法のmulticenter studyではCcrの有用性は否定され,125I iothalamateクリアランスなどが採用されているのが現状である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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