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増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 腎機能検査
166.PSP排泄試験
著者: 折田義正1 上田尚彦1 柿原昌弘1 鎌田武信1
所属機関: 1大阪大学医学部・第1内科
ページ範囲:P.2036 - P.2037
文献購入ページに移動PSP排泄試験は腎の血行循環機能を知る検査のうちで最も実施容易で,かつ患者にも負担の少ない有用な検査である.15分値がRPF(CPAH)と相関が高いことから,RPFの推定を第1の目的とし,第2は近位尿細管の機能推測である.アンピシリン,セファロスポリン系(セファレキシン)薬物は糸球体濾過,近位尿細管排泄を受けるため,腎機能低下患者では,CcrとPSP排泄試験15分値の両方を用いて投与間隔を決定することが合理的である.堀らは,この理論により実用的な投与間隔推定のためのノモグラムを作成した(図1).さらに経時排泄の観察により,尿路死腔の有無やその大きさの推定,採尿の完全性のチェックが可能となる.
15分値が低下するのは,近位尿細管機能低下によりPSP除去率が低下する腎実質障害(とくに慢性糸球体腎炎,慢性腎不全)が最も多いが,腎循環障害によりRPFが低下する出血,ショック時や腎前(浮腫,腹水).腎後性(尿路異常)因子のように直接腎機能と関係のない疾患も多いのに留意すべきである.
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