文献詳細
文献概要
増刊号 これだけは知っておきたい検査のポイント 第4集 細胞診
174.細胞診判定分類
著者: 森三樹雄1
所属機関: 1獨協医科大学越谷病院・臨床検査部
ページ範囲:P.2058 - P.2060
文献購入ページに移動細胞診は本邦でも広く普及し,病理診断とともに種々の疾患の形態学的鑑別診断に必須の検査となっている.細胞診では主として細胞の大きさ,核の大きさ,核の形,核小体の有無とその大きさ,核クロマチン構造,核:細胞質の比,細胞と細胞の関連などについて形態学的に観察し判定分類する.現在行われている細胞診としては,採取方法の相違により,1)剥離細胞診(exfoliative cytol-ogy),2)穿刺吸引細胞診(aspiration biopsy),3)自己採取による細胞診(selfsmear cytol-ogy),4)捺印細胞診(stamp cytology)などがあるが,細胞診判定分類はほぼ同じものを用いることが多い.細胞診判定分類はパパニコロウ分類を基本として用い,それに細胞病理学的診断を併記する方法が一般的に利用されている.
パパニコロウ分類は1941年にPapanicolaouによって考案された方法で,1954年に改訂され世界中でかなりの施設がこの分類を利用している.パパニコロウ分類は診断する側,結果を受け取る臨床医側にもわかりやすく便利であるので普及している.表1にパパニコロウ分類を示した.この中でClass IとClass IIは正常細胞や良性病変を表し,Class IIIは異型細胞を認めるが,良性か悪性か確定できない場合に用いる.
掲載誌情報