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雑誌目次

雑誌文献

medicina26巻11号

1989年10月発行

雑誌目次

今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 Editorial

水・電解質と酸塩基平衡

著者: 黒川清

ページ範囲:P.2128 - P.2129

 本号は「水・電解質と酸塩基平衡」というテーマでの特集を組んでみた.これは「medicina」では前回,昭和61年の第23巻5号でやはり私が企画させていただいたテーマである.その間の数年に,このテーマに関する臨床,基礎研究の発展などにどのくらいの進歩があっただろうか.臨床での問題点についても着実な進歩はあったがそれよりは,技術的な進歩に助けられてかなり新しい情報が腎尿細管での電解質輸送を中心とした体液電解質代謝の調節系について得られたと言えよう.このような基礎科学レベルでの新しい情報が,どのように日常での診療に役立っていくだろうか,ということを考えると,同じ臨床の領域でも,特に水・電解質と酸塩基平衡の分野は,その病態生理の理解なくしては正しい診断へのアプローチや,より適切な治療方針を立てるというわけにはいかない,という点で特徴があることを忘れるわけにはいかない.
 我々の身体の大部分を占める体液には,水はもちろんのこといろいろな電解質がその中にイオンとして存在し,これらの水や電解質の濃度や体内の総量は一定の範囲内に保たれていることは言うまでもない.このような調節系が常に作動しているおかげで,我々が飲食としていろいろな組成の水・電解質を含んだ食事を全く勝手気ままに摂取していても,我々の身体の調節系がそれに対応している.

水・電解質代謝の理解のために

Na代謝調節系—尿細管レベル

著者: 吉富宏治

ページ範囲:P.2130 - P.2132

 Naは細胞外液の最も大きな部分を占める溶質である.したがって,Na量の増域によつて細胞外液量も影響を受ける.糸球体濾過値を180l/day,血漿Na濃度を140mEq/lとすると,糸球体で濾過されるNa量は1日25,200mEq,NaC1にして約1,500gにも達する.
 しかし,尿中に排泄されるNaは150mEq/dayにすぎない.したがって糸球体で濾過されたNaの99.4%は尿細管で再吸収されていることを示している.すなわち,FENa(Fractional Excretion of Sodium)=ナトリウムクリアランス/GFR=0.6%と言い換えることができる.Naの尿中排泄が大量の糸球体濾過と大量の再吸収のバランスの上に成り立っていることは,尿細管のわずかなNa再吸収機能の変化によって,細胞外液のNa量を調節できるという利点がある.本稿では現在までにわかっている尿細管におけるNa輸送の概要を述べてみたい.

Na代謝調節系—腎血行動態

著者: 相澤力

ページ範囲:P.2134 - P.2137

 体の中のNaは細胞の中にはわずかしか存在せず,大部分は細胞外液中に分布している.細胞外液中のNa濃度や浸透圧は,それぞれおよそ140mEq/L,280mOsm/Kg・H2Oになるように調節されている.したがって,体内のNa量の変化は体液でもとくに細胞外液の量の変化を意味している.細胞外液量はおよそ体重の20%であるが,その大部分は血管の外にあって組織間液を形成し,血管内にある循環血漿量は体重の5%である.細胞外液量が適切であるかどうかを直接に感知する機構は生体にはなく,循環血液量が適切であるかどうかを感知して生体は体液量の調節にあたるのである.それ故,浮腫や腹水があって細胞外液量が明らかに増えている状態でも,血管内はむしろ脱水傾向になっているため,生体は体液量が少ないと判断して循環血漿量を増やす方向に調節が行われることは,日常の診療のなかでよくみられる現象である.
 細胞外液量の調節,実際は循環血液量の調節は基本的には,そして最終的にはNaの代謝調節によって行われる.腎循環が循環血液量の増減に対してどのように対応するのか,またいかなる機構によって行われるのか,が重要と考えられるが,ここでは腎循環の特徴をみるところから始めたい.

Na代謝調節系—ホルモン

著者: 丸茂文昭 ,   野々口博史

ページ範囲:P.2138 - P.2139

 ヒトが食事としてとるものは,加工してある食物であり,動物をそのまま生でのみこむということはまずまれである.したがって,細胞外液はほとんど摂取されず,細胞内液が経口的に入ることとなる.ところが一方,腎臓で濾過されて排泄される尿は,当然のことながら細胞外液である.すなわち,主として体内に入るものは細胞内液であり,出るものは細胞外液であるということになる.細胞内液の主たる陽イオンはK,陰イオンはHPO4--であり,細胞外液のそれらはNa,Cl,HCO3-である.このままの状態では体内のイオンバランスの不均衡が起こるのは当たり前なので,人体はKやHPO4--はなるべく排泄しようとし,Na,HCO3-はなるべく失わないようにしようという自動調節機構を持つ.とくに,Na喪失を防ぐ機構は発達している.
 腎におけるNaの排泄量の多寡は,第1に糸球体濾過量の多少により決定され,それを微調整するシステムとして,糸球体-尿細管バランス(glomerulo-tubular balance)-尿細管糸球体フィードバック機構(tubuloglomerular feedback)がある.これらは他項で述べられるであろう.

K代謝調節系—尿細管レベルとホルモン

著者: 田部井薫

ページ範囲:P.2140 - P.2141

 正常人の体内カリウム(K)含量はおよそ3,000mEqで,そのほとんどは細胞内に存在し,細胞外液,循環血漿中にはわずか1.9%しか存在しない.正常人のK摂取量は1日100mEq前後で,上部消化管で吸収され,腎外性K調節系により一時的に細胞内に移行し,その後腎あるいは腸管から排泄され,恒常性が維持されている1)

水代謝調節系

著者: 石川三衛

ページ範囲:P.2142 - P.2143

 体内の水分量は体重の約60%に相当する.これは細胞内液と細胞外液として存在し,細胞内液は全水分量の3/4(体重の45%),細胞外液は1/4(体重の15%)程度である.水代謝はこの水分の出入および体内分布を司る調節系である.体内に入る水分は,経口的に摂取する水や食物中の水分,体内での栄養素のエネルギー転換に伴う燃焼水である.一方,体外へ失われる水分には,尿・大便・汗や不感蒸発によるものが挙げられる.生体の水代謝調節は尿量と飲水量による.飲水量は渇中枢に,尿量は抗利尿ホルモンADHの分泌と腎尿細管作用に依存する.

水・電解質異常の病態生理

高Na血症

著者: 清水倉一

ページ範囲:P.2144 - P.2146

 ●概念
 血漿の浸透圧(細胞内液,細胞外液とも同じ)は,そのホメオスターシスを維持する浸透圧調節系によって,284±10mOsm/kgH2O程度の狭い範囲に保たれている.
 血漿のNa+は細胞外液の主要な陽イオンであり,Na+に伴う陰イオン(Cl-,HCO3-)と合わされば,血漿浸透圧(Posm)を構成する溶質の95%以上を占める.

低Na血症

著者: 東徹

ページ範囲:P.2148 - P.2149

 Na代謝の基本はNaが細胞の外に,つまり細胞外液に存在することで,細胞外液の浸透圧を構成する主要成分でもあることであろう.細胞外液は血管内液と間質液から成り立っているから,血清Na濃度は細胞外液のNa濃度といってよい.したがって,血清Na濃度は,おおよそ下式のように表現できる.
 血清Na濃度≒体内Na総量/細胞外液量(A)
 つまり血清Na濃度は体内Na総量と細胞外液量で決定されるが,低Na血症では,かならず分子より分母の値が大きいはずである.

高K血症

著者: 川口良人

ページ範囲:P.2150 - P.2151

 高K血症は日常しばしば遭遇する電解質異常であり,敏速な対応が必要とされる.また本症の存在から病態の発見の手がかりが得られる場合もある.例えば,低レニン性低アルドステロン血症性高K血症などを挙げることができる.本項では高K血症をきたす病態を原因別に整理して述べる(表).

低K血症

著者: 海津嘉蔵

ページ範囲:P.2152 - P.2153

 人体の総K保有量は,約3,500mEqである.1日約50〜150mEqのKを食事より摂取している.体外排泄の90〜95%は尿中に,残りは便中に排泄している1).Kは,ほとんどが細胞内に含まれている陽イオンであり,神経や筋肉の機能および各種酵素の活性化と生体内で多くの生理機能に関与している.血漿Kのほとんどは細胞内に分布し,細胞外にはきわめて少ない.細胞外に分布するKは体内総量の約5%,そのうち,血漿中には1%にしかならない.体内総K量は約3,000〜5,000mEqであるから,血漿中K濃度は3.6〜4.5mEq/lである.通常,血漿Kが1mEq/lの減少で体内Kは400〜500mEq/lの減少を反映していると考えられている.ここでは,低K血症について述べる.

水・電解質異常のベッドサイドアプローチ

電解質の読み方

著者: 和田孝雄

ページ範囲:P.2154 - P.2156

 一般に電解質を読むといういいかたをする場合には,血清電解質の読み方が中心になる.これに劣らず重要なものとして尿の電解質の読み方があるが,尿の電解質を情報として生かすことになると,生体のダイナミクスをよく理解していることが必要となる.

治療の進め方

著者: 二瓶宏

ページ範囲:P.2158 - P.2160

 本特集の冒頭にも述べられているように,水・電解質は生体の中で最も厳重な調節を受け,安定した恒常状態を維持している.健常人の場合,最少限の水分補給があれば,そう容易に水・電解質の異常を起こすことはありえない.したがって,その異常を有する例は基礎に重篤な病態を有することが多く,来院時の判断が生命の予後を左右することも少なくない.

高Na血症と低Na血症

著者: 石田尚志 ,   荻本剛一 ,   深沢学

ページ範囲:P.2162 - P.2165

 高Na血症ならびに低Na血症は,定義上血清Naが正常範囲をそれぞれ外れた場合を意味するが,正常値の設定が各施設で異なるため具体的な数字を上げることは難しい.ちなみに筆者らの病院で,ある日に外来と入院患者について測定された血清Naは図のように分布していた.正常値は138〜147mEq/Lと設定されているので,この基準でみれば147mEq/L以上の高Na血症は全体の4%となり,138mEq/L以下の低Na血症は14%であった.本来は各施設の正常値を基準にすべきであるが,一般に正常値は135〜150mEq/Lと考えておくのが妥当のようである.また筆者らのデータにも見られるように,頻度の上からは低Na血症のほうがはるかに多い.高Na血症と低Na血症をひとつの疾患として把える場合に血清Naの測定値がなければ診断はつかないが,すべての疾患と同様に病歴の聴取,症候の把握,ほかの検査所見が診断と治療上必須となる.病歴の聴取とほかの検査所見は,原因となる疾患あるいは状態が多彩であるため,それぞれを意識したきめ細かさが要求される.高Na血症の症候は落ち着きのない状態,被刺激性の亢進,脱力,筋肉の痙攣,反射亢進であり,進行すれば全身の痙攣,昏睡に陥り死に至る.一方,低Na血症では無力状態,指南力低下,筋肉の痙攣,食思不振,興奮状態,知覚異常,反射低下,病的反射,全身痙攣などが上げられている.

高K血症と低K血症

著者: 木村玄次郎 ,   生間敬博

ページ範囲:P.2166 - P.2170

●定義
 健康成人における体内K総量は約50mEq/kgと考えられ,その90%以上が細胞内(主として筋肉)に約150mEq/Lの濃度で存在している.一方,細胞外液には体内総K量のわずか2%しか存在しない.正常血清[K]は,3.5〜5.0mEq/Lの狭い範囲に調節されており,3.1mEq/L以下のとき低K血症,5.5mEq/L以上のとき高K血症と定義される.
 血清[K]は細胞外液区画の濃度を示しているが,必ずしも細胞内[K]の変化も平行して反映するとは限らない.したがって,血清[K]の異常は,必ずしも体内総K量の変化を反映しているわけではないことに注意が必要である.また,赤血球,白血球,血小板は血清中へKを放出したり,逆に,血清からKを取り込んだりするので,いわゆる偽性の血清[K]異常を考慮し,採血時,および採血後の検体の取り扱いに注意を払わねばならない(表1).

浮腫

著者: 荒川正昭 ,   吉田和清

ページ範囲:P.2172 - P.2174

 浮腫は,細胞外液,特に組織間液が異常に増加した状態と定義されているが,元来は,身体の一部に液体が貯留して,その部分が腫脹している理学所見を指している.したがって,診察時に浮腫の存在を確認することが,治療への第一歩である.

脱水

著者: 平方秀樹 ,   小野山薫

ページ範囲:P.2176 - P.2177

 脱水症の治療は水の不足と細胞外液量のそれとを分けて考えたほうが理解しやすい1)

多尿

著者: 深川雅史

ページ範囲:P.2178 - P.2180

●多尿の病態生理
 多尿とは,一般に1日尿量が2.5ないし3l以上とされているが.これはどのような根拠に基づいているのだろうか.
 人間の体は,1日に約600mOsmの溶質を産生する.したがって,それを1日の尿によって排泄するわけであるから,尿をどれだけ濃縮もしくは希釈できるか,すなわち尿の浸透圧(または比重)で最低限必要な尿量が決まるのである(腎機能が正常なとき).つまり,正常では最大1,200mOsm/KgH2Oまで尿が濃縮できるので,最低必要な尿量は500mlとなるし,最大濃縮力が半分になると最低1,000ml,さらに低下して等張尿しか作れなければ最低でも2,000ml必要となる.2.5ないし3lとは,このようなことを考慮した一つの目安であり,絶対的なものではない.

酸塩基平衡の理解のために

酸塩基平衡の基本的概念

著者: 越川昭三

ページ範囲:P.2182 - P.2184

●Henderson-Hasselbalchの式
 のっけからlogの付いた式が出てくると,またかとうんざりする向きも多いと思うが,酸塩基平衡の基本的概念というテーマを与えられた以上,この式を抜きにしては語れない.
 pH=pK'+log〔HCO3〕/〔H2CO3
 (1)別に難しい式でも何でもなく,次のことをもっともらしく数式で表現したに過ぎない.

腎での調節—近位尿細管

著者: 佐々木成

ページ範囲:P.2186 - P.2188

●近位尿細管での尿酸性化
 糸球体濾過された原尿は尿細管で酸性化される.どの程度酸性化されたかを定量するためには,尿細管液のHCO3,滴定酸,アンモニアを測定すればよい.近位尿細管終末部での測定によると,このセグメントでは糸球体濾過されたHCO3の85%が再吸収され,尿pHは7.4から6.8へ低下している.同時に尿中排泄されるアンモニアの90%,滴定酸の65%がこのセグメントで生成されている1).ただし,糸球体濾過されるHCO3は4,000mEq/dayであり,一方,尿中のNH440mEq/day,滴定酸20mEq/dayなので,量的に考えるならば,近位尿細管の尿酸性化の主体はHCO3再吸収である.このため,近位尿細管での尿酸性化障害では尿中へのHCO3漏出を生じる.

腎での調節—遠位尿細管

著者: 古谷隆一 ,   菱田明

ページ範囲:P.2190 - P.2192

 食物として摂取された酸と代謝過程で産生される酸(合計で1mEq/kg/day)は腎から排泄されるが,この大部分は滴定酸とアンモニウムイオン(NH4+)の形で尿中に排泄される.また,糸球体で濾過される多量のHCO3-をほぼ完全に再吸収することによりアルカリの喪失を防いでいる.
 腎での総酸排泄量は次式で示される.
 総酸排泄量=滴定酸+NH4+-HCO3-
 酸性尿では非結合のH+が増加しているが,非結合H+として排泄されるH+の量が総酸排泄量の中で占める割合はきわめて少ない.しかし,尿が酸性に傾くことによって滴定酸,NH4+の排泄を増加させることになり,尿の酸性化は総酸排泄量に強く影響する.

肺での調節

著者: 中山眞人

ページ範囲:P.2194 - P.2195

 体内で酸塩基平衡の異常が生じると,種々の緩衝系が働き,短時間の内に体液のpHを正常化しようとする.この緩衝作用により生じた物質は,肺および腎臓より体外に排泄される.
 体内での代謝により生じた揮発性酸としてCO2があり,1日の産生量は13,000mEq(300l/日)といわれる.このCO2は血液を介して肺へ運ばれ,換気により大気中に放出される.

酸塩基平衡の病態生理

血液ガス値の読み方

著者: 内田俊也

ページ範囲:P.2196 - P.2199

 体液の酸塩基平衡の異常は臨床のあらゆる領域で見られ,その評価はしばしば患者の予後に重要な影響を与えることが多い.酸塩基平衡は腎を中心に複雑な調節を受けているが,生理学的調節については別項で詳しく論じられているので省略し,ここではベッドサイドにおける血液ガス値の実際的な読み方について述べる.

代謝性アシドーシス

著者: 上桝次郎 ,   川崎寛中

ページ範囲:P.2200 - P.2201

 代謝性アシドーシスmetabolic acidosisとは一次的な血漿重炭酸濃度[HCO3-]の減少に起因する酸・塩基平衡障害で,血漿pH値の低下とpCO2の減少が特徴である.[HCO3-]は生体の代謝や体外からの強酸の添加によりHCO3-が消費されたり,また消化管や腎からHCO3-が喪失される場合,さらに生食水などの急速注入で一過性に稀釈されると,低下する.

代謝性アルカローシス

著者: 吉川隆一 ,   前田士郎 ,   羽田勝計

ページ範囲:P.2202 - P.2204

●代謝性アルカローシスとは
 一次的に血中HCO3-(重炭酸イオン)濃度が上昇し,H(水素イオン)濃度を減少させる,すなわちpHを上げるような病態を代謝性アルカローシスと呼ぶ.通常,換気が低下して二次性のPco2(血中炭酸ガス分圧)上昇が生じてpHの偏位を阻止する代償機序が作働するので,必ずしもpHが上昇するとは限らない.また,血中HCO3-濃度の上昇は呼吸性アシドーシスに対する代償反応として二次的に生じることもあるので,HCO3-濃度値のみで代謝性アルカローシスの診断を下すことはできない.ただし,Pco2が1mmHg変化した場合のHCO3-の代償性変化は0.1〜0.4mEq/lであり,42mEq/lを越えるHCO3-濃度の上昇は代謝性アルカローシスと考えてよい1,2)

呼吸性アシドーシスと呼吸性アルカローシス

著者: 平野圭 ,   小出輝

ページ範囲:P.2206 - P.2207

 Henderson-Hasselbalchの式から明らかなように,体内の酸塩基平衡の調節はHCO3-とPco2の2つの因子が関与している.CO2は組織代謝の結果生じたHが重炭酸緩衝系に取り込まれ,H+HCO3-→H2CO3-→H2O+CO2(1式)という反応により生じてくる.そのほとんどが肺胞換気により大気中に放出されるため,Pco2は呼吸により調節される因子であり,換気の増加はPco2の減少,換気の減少はPco2の増加を引き起こす.

腎尿細管性アシドーシス

著者: 杉野信博 ,   荒井純子 ,   望月隆弘 ,   川嶋朗 ,   波多野道康 ,   窪田研二 ,   福田祐幹

ページ範囲:P.2208 - P.2210

 腎尿細管性アシドーシス(RTA)は古くから発生部位により遠位型(type 1),近位型(type 2),また乳幼児にみられた特殊なもの(type 3)と分けられ,さらに近年遠位型の一部に高カリウム血症を呈するものとしてtype 4が加えられた.しかし,最近の欧米の成書ではtype 1→4とか,古典型classic type(type 1のこと)の名称を廃し,筆者が数年前から唱えてきたように近位型RTA(pRTA),遠位型(dRTA)に二大別され,さらにdRTAは低ないし正常カリウム血症と高カリウム血症の型に分かれる.なおtype 3はdRTAの一種であるので今日では死語となって来た.RTAを定義すれば,『腎尿細管機能障害を主因とし,著しい高窒素血症を欠く高クロライド血症性代謝性アシドーシスを呈する症候群で,発生機序から腎尿細管での炭酸水素イオンの再吸収障害(pRTA),水素イオン排泄障害(dRTA)に大別される』となる.

水・電解質異常に関する疾患

SlADH

著者: 伊藤公道 ,   山田研一 ,   吉田尚

ページ範囲:P.2212 - P.2213

 不適切ADH分泌症候群,SIADH(syndromeof inappropriate secretion of antidiuretic hormone)とは,ADHが分泌抑制を受けるべき生理的状態にもかかわらず不適当に分泌され,低浸透圧血症をきたしている状態である1)

内分泌疾患と電解質異常

著者: 阿部圭志

ページ範囲:P.2214 - P.2216

●水・電解質調節ホルモン
 水・電解質の調節に関与する代表的ホルモンは,副腎皮質球状層から分泌されるアルドステロンと,下垂体後葉から分泌される抗利尿ホルモン(ADH)である.他にCa,Pの代謝調節に関与するホルモンが副甲状腺ホルモンである.本稿ではアルドステロンと,その関連ホルモンの分泌異常を起こす内分泌疾患についてのみ述べる.

気がつきにくい電解質異常

著者: 高野朋子 ,   内田俊也

ページ範囲:P.2218 - P.2220

ベッドサイドで水・電解質異常や酸塩基平衡異常に遭遇した時,他項で述べられているようなアプローチを行えばほとんどの場合答えを引き出すことができる.しかしながら,時には病態が理解できず鑑別診断に苦慮することもある.このような場合でも必ずなんらかの原因があって異常な病態をきたしているはずであり,本項では,そのような比較的気がつきにくいが,鑑別診断に加えるべきいくつかの病態についてまとめ,その病態生理について考察したい.(Ca,Pについては別の機会に譲りたい.)

最近の話題

腎尿細管性アシドーシスtype IV

著者: 福原吉典 ,   折田義正

ページ範囲:P.2222 - P.2224

●概念
 腎尿細管性アシドーシスtype IV(type IVRTA)は,遠位部ネフロンのHとKの分泌障害をきたす疾患群である.障害部位の点からは遠位尿細管性アシドーシスに分類されるが,type Iが臨床的に低K血症をきたすのに対して,type IVではK分泌障害のため高K血症を呈するのが特徴である.そのため,高K血症性遠位尿細管性アシドーシスとも呼ばれる.
 腎尿細管性アシドーシスtype I,type II(本誌腎尿細管性アシドーシスの項参照)の病態生理が比較的単純で原因による分類が容易なのに反し,type IV RTAでは病態生理が単一ではなく,その分類も呼称も病態生理に基づいて行われているが,報告者ごとに異なり未だ確立された見解がないのが現状である.ここでは,最新の知見を踏まえ,分類の基礎となっている病態生理の面よりの解説を試みる.

悪性腫瘍に伴う高カリウム血症

著者: 要伸也 ,   内田俊也

ページ範囲:P.2226 - P.2228

 悪性腫瘍には,いわゆるparaneoplastic syn-dromeとして様々な代謝・内分泌異常や高カルシウム血症,SIADHなどの電解質異常が見られることがあり,その病態には液性因子の関与が想定されている.高カリウム血症も悪性腫瘍の患者に時に見られるが,いわゆるtumor lysisによるもの,薬剤によるものを除けば原因のはっきりしないことも多い.最近,筆者らは原因不明の高カリウム血症を呈する症例に,アルドステロン分泌の低下したものが見られることを見出したのでこれを中心に述べることにする.

薬剤と電解質異常

著者: 武田佳代子 ,   長瀬光昌

ページ範囲:P.2230 - P.2231

 近年,多くの新しい薬剤が開発され,臨床応用として,広く使用されるようになってきた.それらの薬剤の副作用として,腎機能障害と関連して種々の電解質異常がみられる.この原因として一つには薬剤によって惹起される急性腎不全の結果起こる場合と,腎不全に至らないまでも,尿細管障害により電解質異常が起こる場合の2つに大別されよう.もちろん,臨床的に症状出現時には,直ちに,投薬の中止,減量,あるいは他剤への変更が望まれる.今回,それら薬物が電解質に及ぼす影響について述べる.

座談会

水・電解質代謝の調節系

著者: 清水倉一 ,   内田俊也 ,   吉富宏治 ,   黒川清

ページ範囲:P.2233 - P.2247

 黒川(司会) 今日は「水・電解質代謝と酸塩基平衡」という特集の座談会ということなのですけれど,時間の関係もあるので,ここでは水とNa,Kの調節系ということについて話を進めていただいて,酸塩基平衡については今回は触れないでおこうと思います.
 水・電解質代謝とは一体何か.我々の体の中の水の量とか,それに含まれている電解質の量,濃度は常に一定に保たれているわけですが,水,Na,Kなどの電解質の代謝の1つの特徴は,他の物質の代謝と違って他の物質に変換されることなく,体の中に分布しているという点です.もちろん正確にいえばそうではないわけで,例えば代謝で水が作られるとか,そういうこともありますけれども,脂肪とか,蛋白のようなmoleculeそのものが変わってしまうとか,そういう意味からいう代謝ではない.ということから,体の中にある電解質の量は常に一定に保たれていて,その細胞内・外液中の濃度も一定に保たれているというのが1つの特徴です.

理解のための10題

ページ範囲:P.2248 - P.2250

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・8

PTCAにおける合併症(2)

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.2252 - P.2254

●PTCA施行後に急性冠動脈閉塞,心筋梗塞を起こした例
 症例 62歳,男
 現病歴 10月14日午前6時30分起床時に前胸部圧迫感が約30分間持続したため,救急病院を受診し,狭心症の診断により3週間入院した.以後投薬を受けていたが,退院後も数回狭心症発作があった.そのため11月24日,S病院を受診し,不安定狭心症の診断により入院した.
 冠動脈造影では前下行枝(Seg.6と7)に90%狭窄を認め,対角枝(Seg.9)に75%狭窄を認めた.

非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

典型的な心病変を呈した全身性エリテマトーデス(SLE)の1例

著者: 大木崇 ,   福田信夫 ,   細井憲三 ,   恵美滋文 ,   林真見子 ,   森博愛

ページ範囲:P.2270 - P.2279

■心音・心機図所見
 1)心不全時の心音図,頸動脈波曲線および心尖拍動図(図1)
 心尖部(Apex)と第3肋間胸骨左縁(3L)の同時記録心音図(上段)において,注目すべき所見は次の3点である.①Apexの全収縮期雑音(SM),②Apexの強大なIII音,③3Lにおける出現の遅延した駆出音(Ej).
 Apexにおける全収縮期雑音は僧帽弁逆流の存在を示すが,音量(Levine 1〜2/6度)から推定される逆流の重症度は軽症である.

Oncology Round・2

Sipple症候群

著者: 片山勲 ,   三村孝 ,   伊藤國彦 ,   森永正二郎

ページ範囲:P.2263 - P.2266

 多発性内分泌腺症multiple endocrine neo-plasia(MEN)には3型が知られている.MEN I(Warmer症候群)=副甲状腺過形成+膵島腺腫または癌+下垂体前葉の腺腫または過形成,MEN IIa(Sipple症候群)=甲状腺髄様癌+副腎褐色細胞腫+副甲状腺過形成,MEN IIb=甲状腺髄様癌+副腎褐色細胞腫+多発性粘膜神経腫±Marfan病様体型である.今回は,甲状腺腫を主訴として来診し,精査によりMEN IIaと術前に診断された症例を紹介する.

グラフ 消化管造影 基本テクニックとPitfall

大腸(6)—進行癌

著者: 松川正明 ,   西澤護

ページ範囲:P.2280 - P.2287

 西澤 生活様式とか食生活が西洋化したことなどと関連して,最近大腸癌が非常に増え,死亡例も増えています.ただ,大腸癌は胃癌に比べ,比較的症状が出やすく,本当は助かりやすいのですが,検査が面倒なものですから患者がなかなか検査を受けたがらないことや,痔の出血と間違えやすいことなどが,手遅れの原因になっています.
 まず,最初の症例ですが(図1),直腸癌の時の症状としては,血便,便通異常,肛門痛が多いと思いますが,この写真から,深達度などを含めて説明して下さい.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.2256 - P.2262

内科専門医による実践診療EXERCISE

下血,頭痛,めまい/腹痛,背部叩打痛

著者: 岡田定

ページ範囲:P.2289 - P.2292

 53歳女性,主婦.現病歴:約20年前より発作性の回転性めまい,難聴,耳鳴りがあり,近医耳鼻科でメニエル氏病と診断され,経過を観察されていた.約7年前より毎年のように鮮血の下血がみられ,この頃より頭が熱くなるような発作,顔面の紅潮,著明な発汗心窩部不快感,めまいなどが出現し,徐々に増強し,約3年前からは入浴後の皮膚掻痒感も覚えるようになった.今回入院前日に下腹部痛の後,下痢を伴いコップ1杯程の鮮血の下血あり,近医を受診し,血液検査で異常を指摘され(これより以前に血液検査をしたことはなかった),本院に入院した.
 身体所見:身長154cm,体重45.4kg,血圧130/80,脈拍88/分整,体温37.0℃,結膜は充血し,口腔粘膜・舌は紅潮.心肺異常なし.表在リンパ節・肝は触知せず.脾腫2.5横指.下腿浮腫なく,神経学的にも異常なし,眼底:赤みが強く,静脈の拡張と蛇行がみられた.

検査

検査データをどう読むか

著者: 岡嶋研二 ,   宇治義則 ,   岡部紘明

ページ範囲:P.2294 - P.2297

◇出血傾向を示す症例の検査の進め方
 血液は血管内では凝固しないように,しかし血管外では速やかに凝固するように巧みに調節されている.実際に,生体内では微小な血管内皮の損傷部位に修復のために微小血栓が形成されるが,速やかに溶解されるという現象が繰り返され,血液循環の恒常性が維持されている.この動的平衡の破綻が出血傾向および血栓形成を招来すると考えられる.出血傾向の発現は,1)血管壁の脆弱性,2)血小板数の減少およびその機能異常,3)血液凝固因子の活性低下,4)線溶活性の亢進および,5)凝固線溶阻止因子の異常のいずれか,またはこれらの組み合わせにより生じる.まず出血傾向または凝固検査所見の異常を示す症例について,1)臨床的に出血傾向を認めるか否か,2)APTT,3)PT,4)出血時間および,5)血小板数,の5点についてまずスクリーニングとして検索し,これらの所見に基づいてさらに診断のための詳細な検索をすすめる.表2にこのスクリーニングによる出血傾向もしくは凝固異常の鑑別を要約する.臨床的な出血傾向の有無はその種類また発症の時期を確認することが重要である.出血傾向のうち,いわゆる紫斑(purpura)は血小板・血管系の異常で認められることが多く,点状出血や斑状出血また皮膚の外傷からの止血困難は血小板・血管系の異常に基づく場合が多い.

呼吸器疾患診療メモ

ベッドサイド呼吸器病学(1)—問診と生命徴候

著者: 宮城征四郎

ページ範囲:P.2298 - P.2299

 めまぐるしく開発が進む超近代的な医療診断機器の導入により,今日ではかつて診断学の基礎として最重要視された臨床医学の原点ともいうべき問診・理学所見診察法が次第に等閑視され,いわゆる検査点数至上主義の医療保険制度の中できわめて低い評価しか受けず,次第にその影を潜めつっある現状は,臨床家にとってまことに憂うべきことである.
 一方ではしかし,"プライマリーケア"の重要性が声高に叫ばれ,医学情報誌などが競ってその特集を組むという現実もまた,本邦の医療界の大きな動きとしてけっして無視しえない.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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