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今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 水・電解質代謝の理解のために
Na代謝調節系—尿細管レベル
著者: 吉富宏治1
所属機関: 1自治医科大学・薬理学教室
ページ範囲:P.2130 - P.2132
文献購入ページに移動 Na+は細胞外液の最も大きな部分を占める溶質である.したがって,Na+量の増域によつて細胞外液量も影響を受ける.糸球体濾過値を180l/day,血漿Na+濃度を140mEq/lとすると,糸球体で濾過されるNa+量は1日25,200mEq,NaC1にして約1,500gにも達する.
しかし,尿中に排泄されるNa+は150mEq/dayにすぎない.したがって糸球体で濾過されたNa+の99.4%は尿細管で再吸収されていることを示している.すなわち,FENa(Fractional Excretion of Sodium)=ナトリウムクリアランス/GFR=0.6%と言い換えることができる.Na+の尿中排泄が大量の糸球体濾過と大量の再吸収のバランスの上に成り立っていることは,尿細管のわずかなNa+再吸収機能の変化によって,細胞外液のNa+量を調節できるという利点がある.本稿では現在までにわかっている尿細管におけるNa+輸送の概要を述べてみたい.
しかし,尿中に排泄されるNa+は150mEq/dayにすぎない.したがって糸球体で濾過されたNa+の99.4%は尿細管で再吸収されていることを示している.すなわち,FENa(Fractional Excretion of Sodium)=ナトリウムクリアランス/GFR=0.6%と言い換えることができる.Na+の尿中排泄が大量の糸球体濾過と大量の再吸収のバランスの上に成り立っていることは,尿細管のわずかなNa+再吸収機能の変化によって,細胞外液のNa+量を調節できるという利点がある.本稿では現在までにわかっている尿細管におけるNa+輸送の概要を述べてみたい.
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