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今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 水・電解質異常の病態生理
低K血症
著者: 海津嘉蔵1
所属機関: 1産業医科大学・腎センター
ページ範囲:P.2152 - P.2153
文献購入ページに移動 人体の総K保有量は,約3,500mEqである.1日約50〜150mEqのKを食事より摂取している.体外排泄の90〜95%は尿中に,残りは便中に排泄している1).Kは,ほとんどが細胞内に含まれている陽イオンであり,神経や筋肉の機能および各種酵素の活性化と生体内で多くの生理機能に関与している.血漿Kのほとんどは細胞内に分布し,細胞外にはきわめて少ない.細胞外に分布するK+は体内総量の約5%,そのうち,血漿中には1%にしかならない.体内総K量は約3,000〜5,000mEqであるから,血漿中K濃度は3.6〜4.5mEq/lである.通常,血漿Kが1mEq/lの減少で体内Kは400〜500mEq/lの減少を反映していると考えられている.ここでは,低K血症について述べる.
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