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今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 水・電解質異常のベッドサイドアプローチ
高K+血症と低K+血症
著者: 木村玄次郎1 生間敬博12
所属機関: 1国立循環器病センター・内科 2関西医科大学・第1内科
ページ範囲:P.2166 - P.2170
文献購入ページに移動健康成人における体内K総量は約50mEq/kgと考えられ,その90%以上が細胞内(主として筋肉)に約150mEq/Lの濃度で存在している.一方,細胞外液には体内総K量のわずか2%しか存在しない.正常血清[K+]は,3.5〜5.0mEq/Lの狭い範囲に調節されており,3.1mEq/L以下のとき低K+血症,5.5mEq/L以上のとき高K+血症と定義される.
血清[K+]は細胞外液区画の濃度を示しているが,必ずしも細胞内[K+]の変化も平行して反映するとは限らない.したがって,血清[K+]の異常は,必ずしも体内総K量の変化を反映しているわけではないことに注意が必要である.また,赤血球,白血球,血小板は血清中へK+を放出したり,逆に,血清からK+を取り込んだりするので,いわゆる偽性の血清[K+]異常を考慮し,採血時,および採血後の検体の取り扱いに注意を払わねばならない(表1).
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