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文献概要
今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 水・電解質異常のベッドサイドアプローチ
多尿
著者: 深川雅史1
所属機関: 1東京大学医学部・第4内科
ページ範囲:P.2178 - P.2180
文献購入ページに移動●多尿の病態生理
多尿とは,一般に1日尿量が2.5ないし3l以上とされているが.これはどのような根拠に基づいているのだろうか.
人間の体は,1日に約600mOsmの溶質を産生する.したがって,それを1日の尿によって排泄するわけであるから,尿をどれだけ濃縮もしくは希釈できるか,すなわち尿の浸透圧(または比重)で最低限必要な尿量が決まるのである(腎機能が正常なとき).つまり,正常では最大1,200mOsm/KgH2Oまで尿が濃縮できるので,最低必要な尿量は500mlとなるし,最大濃縮力が半分になると最低1,000ml,さらに低下して等張尿しか作れなければ最低でも2,000ml必要となる.2.5ないし3lとは,このようなことを考慮した一つの目安であり,絶対的なものではない.
多尿とは,一般に1日尿量が2.5ないし3l以上とされているが.これはどのような根拠に基づいているのだろうか.
人間の体は,1日に約600mOsmの溶質を産生する.したがって,それを1日の尿によって排泄するわけであるから,尿をどれだけ濃縮もしくは希釈できるか,すなわち尿の浸透圧(または比重)で最低限必要な尿量が決まるのである(腎機能が正常なとき).つまり,正常では最大1,200mOsm/KgH2Oまで尿が濃縮できるので,最低必要な尿量は500mlとなるし,最大濃縮力が半分になると最低1,000ml,さらに低下して等張尿しか作れなければ最低でも2,000ml必要となる.2.5ないし3lとは,このようなことを考慮した一つの目安であり,絶対的なものではない.
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