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今月の主題 水・電解質と酸塩基平衡 酸塩基平衡の病態生理
代謝性アルカローシス
著者: 吉川隆一1 前田士郎1 羽田勝計1
所属機関: 1滋賀医科大学・第3内科
ページ範囲:P.2202 - P.2204
文献購入ページに移動一次的に血中HCO3-(重炭酸イオン)濃度が上昇し,H+(水素イオン)濃度を減少させる,すなわちpHを上げるような病態を代謝性アルカローシスと呼ぶ.通常,換気が低下して二次性のPco2(血中炭酸ガス分圧)上昇が生じてpHの偏位を阻止する代償機序が作働するので,必ずしもpHが上昇するとは限らない.また,血中HCO3-濃度の上昇は呼吸性アシドーシスに対する代償反応として二次的に生じることもあるので,HCO3-濃度値のみで代謝性アルカローシスの診断を下すことはできない.ただし,Pco2が1mmHg変化した場合のHCO3-の代償性変化は0.1〜0.4mEq/lであり,42mEq/lを越えるHCO3-濃度の上昇は代謝性アルカローシスと考えてよい1,2).
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