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文献概要
今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989 出血性疾患の病態と診断
血管性紫斑病
著者: 櫻川信男1
所属機関: 1富山医科薬科大学・臨床検査医学講座
ページ範囲:P.2352 - P.2354
文献購入ページに移動 ラテン語の紫(purple)に由来する紫斑(purpura)は直径3mm以上の斑状出血(ecchymosis)と,それ以下の点状出血(petechiae)があり,毛細血管からの出血で,臨床上,血小板や血管壁障害との関連を示す重要な所見となる.したがって出血時間延長を示し,血小板異常を認める場合,出血時間延長を示すが,止血検査異常を認めない場合,および出血時間が正常でも紫斑を来す場合がある.
本稿では血小板系関与のない紫斑を述べるが,家族歴と既往歴を含めた病歴を正確に把握することが重要である.止血検査で血管機能を直接正確に表示するものはなく,血小板が関与する出血時間や毛細血管抵抗試験では血小板が正常であることを別の方法で確認した後に血管系異常が指摘され,血管生検は血管構造欠損,異常蛋白沈着やコラーゲン形成異常を示すが,多くの血管障害は原因不明である.
本稿では血小板系関与のない紫斑を述べるが,家族歴と既往歴を含めた病歴を正確に把握することが重要である.止血検査で血管機能を直接正確に表示するものはなく,血小板が関与する出血時間や毛細血管抵抗試験では血小板が正常であることを別の方法で確認した後に血管系異常が指摘され,血管生検は血管構造欠損,異常蛋白沈着やコラーゲン形成異常を示すが,多くの血管障害は原因不明である.
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