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今月の主題 凝固・線溶系の臨床1989 血栓性疾患の病態と診断
血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)
著者: 伊藤和彦1
所属機関: 1京都大学医学部附属病院・輸血部
ページ範囲:P.2356 - P.2357
文献購入ページに移動 Thrombotic thrombocytopenic purpura(以下,TTP)は,表1の5徴候を示す疾患で,1924年にMoschcowitzによって初めて報告された.稀な疾患であるが,電撃的な経過をとり,予後がきわめて悪いため,症例に遭遇したことのない読者でも,頭の片隅にTTPの病名は覚えておられることと思う.さらに近年,TTPが注目されている理由は,早期診断し,プラスマフェレーシスを中心にした治療を行うことによって,大部分の症例が救命できるようになったことである.めったに遭遇する症例でないが,TTPの概念を把握し,症例に出くわしたときには早期診断し,適切な治療を行うことのできる態勢を整えておく必要がある.
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