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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻12号

1989年11月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・18

解離性大動脈瘤

著者: 飯田要1 小関迪2

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科 2筑波記念病院・内科

ページ範囲:P.2452 - P.2457

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概念
 解離性大動脈瘤は大動脈壁がなんらかの原因によって解離し,その結果大動脈壁の裂開を生じたものであるが,病因は不明である.突然の胸痛で発症し,高血圧症の関与によることが最も多い.その予後は解離発生の部位によっては非常に悪く,とくに発症後2週間以内の急性期の死亡率がきわめて高い.また急性期を脱しても解離腔の拡大,破裂をきたしやすく,したがって迅速に診断し治療方針を決めることが要求される.現在,解離腔の部位によりDeBakeyの分類やStanfordの分類が用いられており,予後の判定に利用されている.
 本症は近年増加傾向にあるが,その診断方法も進歩し,血管外科手術の発達もめざましいため,急性期の生存率も上昇してきている.また外科的療法をfirst choiseと考えがちであるが,本症に伴う高血圧のコントロールに対し薬物療法も重要視され,DeBakey III型では薬物療法のみで経過を診ていることも多い.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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