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講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・18
解離性大動脈瘤
著者: 飯田要1 小関迪2
所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科 2筑波記念病院・内科
ページ範囲:P.2452 - P.2457
文献購入ページに移動解離性大動脈瘤は大動脈壁がなんらかの原因によって解離し,その結果大動脈壁の裂開を生じたものであるが,病因は不明である.突然の胸痛で発症し,高血圧症の関与によることが最も多い.その予後は解離発生の部位によっては非常に悪く,とくに発症後2週間以内の急性期の死亡率がきわめて高い.また急性期を脱しても解離腔の拡大,破裂をきたしやすく,したがって迅速に診断し治療方針を決めることが要求される.現在,解離腔の部位によりDeBakeyの分類やStanfordの分類が用いられており,予後の判定に利用されている.
本症は近年増加傾向にあるが,その診断方法も進歩し,血管外科手術の発達もめざましいため,急性期の生存率も上昇してきている.また外科的療法をfirst choiseと考えがちであるが,本症に伴う高血圧のコントロールに対し薬物療法も重要視され,DeBakey III型では薬物療法のみで経過を診ていることも多い.
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