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雑誌目次

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

雑誌目次

今月の主題 痛みの診断とその対策 Editorial

痛みのメカニズム

著者: 花岡一雄

ページ範囲:P.2478 - P.2480

 痛みを表現する英語であるpainは,ラテン語のpoenaあるいはギリシャ語のpoineから由来しており,もともとはpenaltyとかpunishmentとかを意味していた.すなわち処罰とは痛みを与えることであった.古代ギリシャのアリストテレス学派においては,中枢神経系の概念はなく,心臓に痛みが直通すると考えていた.17世紀になって,デカルトは痛みの伝導系を考え(図1),それが,今日に至るまで300年以上にわたって痛みの臨床理論の礎となってきた.この理論から19世紀にはフォン・フレイにより,触覚,冷覚,温覚,痛覚の4種類に皮膚の知覚が分類され,それぞれの知覚に特異的な受容器が想定され,20世紀における痛みの研究の出発点になった.このように古代から人類は痛みとともに歩んできたが,そのメカニズムは未だに不明確である.この原因の一つは,痛みを科学的研究の対象とするうえで客観的把握が非常に困難な点にある.これは痛みが他人と同時に同程度に共有されることが不可能であり,個人個人に特有な自己経験的なものとして扱わざるをえないためである.また痛みの内容は多種多様であり,実に複雑であるにもかかわらず,その表現は誠に乏しいものである.Sherringtonは痛覚を生体組織損傷,あるいは損傷の可能性のある有害な侵害刺激noxious stimuliが個体に起こす感覚であると定義している.

痛みの診断

診断の進め方

著者: 檀健二郎

ページ範囲:P.2482 - P.2484

 患者の痛みの状態を認識し,原因を推測するには詳細な問診が大切で,さらに視診,触診など簡単な診察を行えば,痛みの大部分の症例で臨床診断の目的を達することができる.特殊検査は必要に応じて実施されるべきであり,一般検査は患者の全身状態の把握に欠かすことのできないものである.しかし,診断の第一義的手段となることは少ない.

頭部の痛み

著者: 谷川達也

ページ範囲:P.2486 - P.2488

 頭部の痛みには頭皮の外傷や皮膚疾患による表在性の痛みもあるが,臨床的に問題になるのは深部痛としての頭痛である.深部痛はその特徴の一つとして投射痛を伴うので,頭痛では痛みの発生部位と感じる部位がしばしば異なる.また,悩みごとがあれば「頭痛のタネ」といわれるように,頭痛の発現には精神的なストレスや緊張が関与していることが多く,これらのことが頭痛の発現機序を複雑にしている要因である.
 実際の臨床では,頭痛患者の大部分は,頭痛自体が疾患の本態である片頭痛などの慢性頭痛症である.しかし,頭痛の診断で最も重要な点は,頭蓋内外の器質的疾患による頭痛を見極めることである.また慢性頭痛患者についても,各頭痛型の鑑別診断に基づいた的確な治療を行う必要がある.したがって,診療の際には,頭痛の性状や随伴症状を含めた詳細な病歴聴取と理学的検査を行い,必要に応じてCTなどの臨床検査をすすめることが大切である.

顔面の痛み

著者: 並木昭義 ,   松本真希

ページ範囲:P.2490 - P.2492

 顔面の痛みは多数あるので,それらを鑑別診断しながら治療方針を立てて行くことである.そのためには,顔面痛の種類および診断法を,日頃から整理しておくことが大切である.

頸部の痛み

著者: 立石昭失

ページ範囲:P.2494 - P.2496

●頸部の痛みの性質
 痛みには自発痛と運動痛がある.またその性質には鋭い痛みと重苦しい鈍痛とがある.強い自発痛は少なく,多くは運動痛である.鋭い痛みはしばしば項・頸部から肩,腕にかけて起こり,手指のしびれを合併する.

胸部の痛み

著者: 中村文隆 ,   内田康美

ページ範囲:P.2498 - P.2501

 胸痛は様々の原因によって起こり,また部位的に精神神経的な影響を受けやすいため,診断が容易でないことが多い.しかし狭心症,急性心筋梗塞,解離性大動脈瘤,肺梗塞などのように早期の診断と適切な治療が必要となるものも少なくなく,注意深く問診を行い,バイタルサインのチェックと鑑別診断のための検査を施行することにより,確実に診断する必要がある.
 本稿では胸痛の原因疾患について解説し,また鑑別診断を行う上での要点や検査計画について述べる.

腹部の痛み

著者: 渡邉千之 ,   石山賢

ページ範囲:P.2502 - P.2504

 腹部の痛みは日常生活の中でみられる消化器疾患の訴えとしてはありふれたもので,腹痛を主訴として来院する患者の数は多く,とくに夜間救急外来での頻度が高い.腹痛の原因疾患の多くは保存的に治療できる内科的疾患であるが,腹痛の中には手術の時期を逸すると患者の生命を危うくするような外科的疾患(急性腹症)もあり,腹痛の診断に際してはまず緊急手術を必要とする疾患を鑑別することが重要である.

腰・背部の痛み

著者: 田中弘美

ページ範囲:P.2506 - P.2508

 腰・背部を構成している解剖学的要素はすべて痛みの原因となりうる.それらの解剖学的要素としては脊柱,肋骨,そして様々な筋肉があげられる.それ以外に内臓器に疾患がある場合に放散痛として腰・背部痛を訴えることがあるが,ここでは前者に視点をおいて述べる.

手足の痛み

著者: 三島好雄

ページ範囲:P.2510 - P.2511

 動静脈壁に知覚終末が存在するが,末梢血行障害に伴う疼痛は四肢の他の組織,おもに筋肉,末梢神経,皮膚などの虚血によるものがほとんどであるといってよい.
 四肢動脈に閉塞性病変を有するものでは,初発症状として四肢に疼痛を訴えるものが多い.この疼痛の原因はおもに動脈閉塞による末梢組織の虚血によるもので,閉塞の程度や部位,あるいは側副血行の発達などによって間歇性跛行あるいは安静時疼痛など特有の疼痛を呈し,さらに進んで自発性脱疽の状態となると,ここに感染が起こって炎症性疼痛が加わり,きわめて耐えがたい疼痛をきたす.

不定愁訴としての痛み

著者: 松波聖治 ,   末松弘行

ページ範囲:P.2512 - P.2513

 本稿のテーマは,「不定愁訴としての痛み」の"診断"についてである.不定愁訴も痛みも後に述べるように心理的側面を考慮しなければならないことが多い.そういう意味でこのテーマが取り上げられたとしたら,どちらもとらえにくいという点で似た部分が多いが,「不定愁訴としての」と言ってしまうと,いわゆる,限局した部位の"心因性疼痛"が抜け落ちる可能性がある.そのため,本稿では,痛みの心理的な側面について少し思いをめぐらせてみようと思う.まずは,テーマにそって,不定愁訴について述べよう.

痛みの対策

鎮痛薬の使い方

著者: 水島裕

ページ範囲:P.2514 - P.2516

 鎮痛薬は,痛みの根源から中枢神経において痛覚が発生するまでの経路のどこかを遮断する薬剤であり,広義に解釈すれば表1に示したような薬剤群がある.このうち狭義の鎮痛薬とは,オピオイド(中枢性鎮痛薬)と消炎解熱鎮痛薬(末梢性鎮痛薬)である.消炎解熱鎮痛薬も,細かくはその種類により酸性解熱鎮痛薬,塩基性解熱鎮痛薬,アスピリンに分類されるが,これらの薬剤は解熱鎮痛のほか抗炎症作用を有し,とくにアスピリンおよび酸性解熱鎮痛薬はその抗炎症作用も重要なので,非ステロイド抗炎症剤とも呼ばれる.このほか鎮痛補助薬,局所麻酔薬,鎮痙鎮痛薬などがあり,これらも本特集に詳細な解説がある.ここでは鎮痛薬の使い方一般と激痛に対する治療法,そして副作用として老人性の問題を主にとりあげる.

抗炎症・解熱鎮痛薬

著者: 橋本博史

ページ範囲:P.2518 - P.2521

 抗炎症・解熱鎮痛薬は,副腎皮質ステロイド薬(以下ステロイド)と非ステロイド抗炎症薬(以下非ス薬)に大別される.前者は強力な抗炎症作用を有し,少量投与で炎症を伴う疼痛に対して効果をもたらすが,多量投与では免疫抑制作用もみられる.非ス薬は,抗炎症,解熱,鎮痛作用を有するが,その種類により3つの作用の程度に多少の相違をみる.
 ここでは,ステロイドと非ス薬の適応症,種類,作用機序,副作用を中心に述べる.

拮抗性鎮痛薬

著者: 井手康雄

ページ範囲:P.2522 - P.2524

●拮抗性鎮痛薬の定義
 薬理学的には拮抗性鎮痛薬は麻薬受容体に対し,作用性と拮抗性の両方の作用を示す薬を指す.臨床的には,上記の作用機序を持ち,麻薬取締法で麻薬とは指定されていない薬をいう.

麻薬性鎮痛薬

著者: 田上恵

ページ範囲:P.2526 - P.2528

 鎮痛薬とは,痛みの根源から中枢神経において痛覚が発生するまでのどこかの経路を遮断する薬剤である.麻薬性鎮痛薬は中枢性鎮痛薬で,コデインに代表される弱作用阿片系麻薬とモルヒネに代表される強作用阿片系麻薬に分類される.いずれも臨床的には癌性疼痛に対して用いられることがほとんどで,これらの投与方法は別項(癌性疼痛)で詳細に述べられることと思うので,ここでは麻薬性鎮痛薬の特徴と代表的薬物であるモルヒネの薬理作用について主に述べたい.

鎮痛補助薬

著者: 弓削孟文

ページ範囲:P.2530 - P.2531

●鎮痛補助薬の意義
 疼痛が長期間持続すると,図に示すように精神的activityおよび肉体的activityが低下し,このことが一層疼痛を増強させる結果となる.
 痛みの治療は,表1に示すように種々あり,1.に示す原因の除去が最も大切であることは言を待たないが,このことが不可能な場合には2.の痛みの伝達経路の遮断として神経ブロック療法が広くなされている.

血管拡張薬療法

著者: 長瀬真幸

ページ範囲:P.2532 - P.2533

 痛みを引き起こす機序のひとつに虚血がある.いわゆる虚血性の痛みである.したがって,その治療として血管を拡張して虚血を改善する方法が考えられる.それには局所麻酔薬を用いた神経ブロック療法(主に交感神経ブロック)が最もよく知られているが,ここでは他項との重複を避け交感神経遮断薬や血管拡張薬を用いた治療法を中心に述べる.

皮膚吸収性鎮痛薬

著者: 平石禎子 ,   花岡一雄

ページ範囲:P.2534 - P.2535

 ペインクリニックでは神経ブロック療法を補うものの一つとして鎮痛薬がある,鎮痛薬はそれ自体原疾患の治療薬ではないが,疼痛患者の在宅療法においては,不可欠である.しかしながら,慢性痛の患者が多いため,鎮痛薬の長期連用による副作用が危倶される.実際,NSAID(非ステロイド性抗炎症薬)の長期連用により,胃腸障害を示す患者は多く,時に消化管出血をきたした患者も経験する.皮膚吸収性鎮痛薬は,このような副作用をほとんど回避できるため,非常に理想的な投与経路であると思われる.しかし,現在市販されている皮膚吸収性鎮痛薬は適応が限られており,また効果の面で問題がある.
 筆者らは,アスピリンの皮膚吸収薬の開発に現在取り組んでおり,いくつかの新しい知見を得たので報告するとともに,皮膚吸収性鎮痛薬の現況と将来性について述べる.

坐薬

著者: 菅原幸子

ページ範囲:P.2536 - P.2537

 坐剤とは人体の開孔部,特に肛門,膣,尿道などに挿入して使用するもので,Suppositoryという言葉ljSup="下に"とpositoria="置く"の2語より成っており,口以外の体腔の入口から投与するという意味がある.紀元前1,500年には,すでに薬が直腸に挿入されていたと考えられている.近代医学では17世紀に,まず浣腸の目的で石鹸坐剤が用いられている.その後注射剤の進歩から衰退したが,1930年頃から局所の治療薬(下剤,痔など),その後全身用薬(鎮痛,鎮痙,抗癌,抗生物質,ステロイドなど)が開発され関心が直まった.しかし患者さんに嫌われたため,その使用は消極的であった.最近drug delivery system(DDS,薬物送達システム)の観点から積極的に使用されるようになって来た.
 現在坐剤で最も多く用いられているのは,非ステロイド抗炎症・鎮痛剤である.使用されている薬剤としては,インドメサシン,ジクロフェナク,ケトプロフェン,ピロキシカムなどであり,形は円錐あるいは紡錐形で,重量は本邦の場合は1〜2gが一般的である.基剤としては疎水性基剤と親水性基剤に2大別され,最近は基剤性能が改善され薬効成分が効率的に吸収されるようになり,使用感も良好となり,使用量も増加している.

ターゲッティング療法薬

著者: 柳川明 ,   中川武正 ,   水島裕

ページ範囲:P.2538 - P.2539

 非ステロイド抗炎症剤(NSAIDs)は,各科領域の炎症性疼痛性疾患に多用されている.しかしながら,使用頻度の増加に伴い,消化管や腎などへの副作用の回避,さらには効果の増強(主に鎮痛作用)といった点が望まれてきている.
 一方,近年drug delivery systemの進歩により,既存のNSAIDsの腸溶化,徐放化,坐剤,注射剤,プロドラッグ化そして経皮吸収剤といった具合に改良され,効果はほぼ同等かそれ以上が期待でき,かっ副作用が著しく軽減できるようになった1,2).そして,より最近のDDSの動向としては,NSAIDsのprimarytargeting(病的部位への選択的薬物送達)やsecondary targeting(primary targetingに続いて,病的細胞への薬物送達)に変わりつつある.これは,少量のNSAIDsを効率良く病巣に選択的に移行させて薬理効果を発揮させるものである3)

神経ブロック療法

著者: 宮崎東洋

ページ範囲:P.2540 - P.2542

 神経ブロック療法は,わが国のペインクリニックで用いられる種々の治療法の中では,最も多用されており,主たる治療法であるといえる.
 一般的には,神経ブロックは痛みの治療のために利用されていると考えられがちであるが,実際には痛みの治療のみならず種々の疾患の治療にも利用されている.

外科療法

著者: 福島孝徳

ページ範囲:P.2544 - P.2546

 慢性頑痛に対する外科的療法には,古来種々様々な方法が試みられてきた(図1).各手術法の部位を図1に示すが,ほとんどのものが痛覚の伝導路を遮断するという考えに基づいている.それらの多くはすでに過去のものとなり,諦められているが,現在,脳神経外科で行われている除痛法には以下の術式がある.
 I.電気刺激による除痛法
 II.経皮的コルドトミー
 II.経皮的ガッセル神経節凝固術
 IV.三叉神経痛,舌咽神経痛に対するMicrovascular Decompression
 V.下垂体エタノール注入術
 VI.定位脳手術
 本稿では,各種手術法の概略を記し,その適応につき順を追って述べたい.

刺激鎮痛法

著者: 東藤義公 ,   村上誠一

ページ範囲:P.2548 - P.2549

 難治性疼痛の治療法として,疼痛の伝導路を外科的に切断する方法が最も早く行われ,ついで,高周波熱凝固法による伝導路破壊が一時脚光を浴びた.しかし,これらの治療法では,長期間の鎮痛効果が得られないことや性質の異なった激痛が新たに発生することがあるため,現在ではほとんど行われていない.これらの疼痛伝導路を切断あるいは破壊する方法に代わって,電気刺激による鎮痛法が1970年代に臨床に登場した.電気刺激による鎮痛法の発展には,古来から行われてきた鍼灸療法,Melzack & Wall1)により発表されたgate control theory,およびRaynolds2)による中脳中心灰白質刺激による鎮痛法の報告が大きな影響を与えている。電気刺激による鎮痛法の種類を表に示す.

物理療法

著者: 石田肇

ページ範囲:P.2550 - P.2553

 「物理療法」は広義には,(1)運動療法,(2)狭義の物理療法,(3)義肢,装具療法,(4)その他(自助具,車椅子,ME機器)などを包含するものであり,リハビリテーションの重要な武器と考えられているが,狭義には自然界を支配する物理的法則を疾病の治療,予防に応用する療法で,「光線,温熱,水,寒冷,電気」などの物理的手段を応用する療法である.古くから医学的経験則によって疼痛患部を湿布,温器法,温浴などで温めたり,氷嚢や冷湿布などで冷やしたりして鎮痛効果を挙げて来たことは物理療法の応用と考えられる.またその治療効果を考える時に,「全身的な効果」と「局所的な効果」が挙げられる,また一般に疼痛に関しては運動器の疹痛では,「疼痛〜筋緊張〜循環障害〜疼痛」の悪循環が見られるし,同様に分娩などに際しての産痛は,「不安〜筋痙直〜痺痛」の悪循環が考えられ,物理療法はこの悪循環の鎖をどこかで断ち切ることを目的としている.また物理療法の鎮痛効果としては,忘れてはならないことは,身体的な弛緩のみならず精神的な弛緩,安静,疾病に対する動機づけによる心理的効果が大きな役割を果たしていることを始めに強調しておく.

東洋医学療法

著者: 北出利勝 ,   兵頭正義

ページ範囲:P.2554 - P.2556

 全国にある大学病院で65%,国公立病院で19%,個人医院で8.5%が鍼灸治療を行っていることが,北里研究所東医研の調査で分かった.
 このように,最近の傾向として,近代的な医療施設において,鍼灸療法がかなり広く実施されるようになったことは好ましいことである.ただし,この統計は,関西に高く,関東に低いのではないかと思われる,実際,明治鍼灸大学(京都府船井郡)卒業生への求人申し込み件数は,関東より,関西にある病院のほうに多いようである.

末期癌の痛みの対策

癌患者の疼痛

著者: 平賀一陽

ページ範囲:P.2557 - P.2562

 Bonica1)によると,癌性疼痛は慢性疼痛の5%と少ないが,他の慢性疼痛より身体的・精神的・社会的要因に起因する問題も多い.末期癌患者は痛みと同時に睡眠障害,食欲低下,嘔気,便秘,呼吸困難などの身体症状も加わり,苦悩の状態に陥るので,患者および家族にとって癌性疼痛はなお重大な問題である.
 本項では癌性疼痛の病態生理,癌性疼痛治療の現状および将来の展望について述べる.

薬物療法—ブロンプトンカクテル(塩酸モルヒネカクテル)

著者: 形浦昭克

ページ範囲:P.2564 - P.2566

 癌性疼痛緩和に対する薬物療法としてのブロンプトンカクテル(Brompton Coctail,BC)は,イギリスにおける胸部疾患病院で開胸手術後の鎮痛剤として使用されたのに始まる.その代表的処方例は,塩酸モルヒネ10mg,塩酸コカイン5mg,ワイン1mlおよび単シロップ2mlと,全量10mlである里このブロンプトンカクテルの療法から精神興奮状態が出現することから,塩酸コカインを除き,筆者らの施設においても塩酸モルヒネカクテルとして,1983年以来,使用してきた.

薬物療法—鎮痛薬の持続皮下注法(CSAA)

著者: 山本健 ,   村上誠一

ページ範囲:P.2568 - P.2569

 癌性疼痛の治療には,十分な除痛効果とともに患者の日常活動を妨げないことが要求される.この目的には,疼痛部位の知覚神経を限局して遮断できる神経ブロック法が最も適しているが,多発転移によって疼痛が広範囲にわたる場合,神経ブロックによって重大な運動マヒが起こる場合,あるいは全身状態が不良な症例では,神経ブロックは適応にならない1).一方,麻薬をはじめとする鎮痛薬の経口投与は,WHO方式癌疼痛治療法2)の普及に伴い広く臨床に応用されているが,消化管の通過障害により適応にならない場合も少なくない.本稿では,麻薬あるいは拮抗性鎮痛薬の持続皮下注法3〜5)(Continuous Subcutaneous Admin-istration of Analgesics,以下CSAA)について紹介する.

薬物療法—癌患者の痛みのオピオイド鎮痛薬による治療

著者: 武田文和

ページ範囲:P.2570 - P.2572

 癌患者の痛みの治療法の主軸は,投与法に著しい発展を遂げている鎮痛薬を用いた治療法であるとの認識が世界的に定着した1〜4).薬の投与はどの地域のどの科の医師にも実施でき,90%以上の癌患者の痛みに有効であるためである1).なかでも中枢神経系のオピオイド受容体に作用するオピオイド鎮痛薬が主要な役割を果たす.

心理療法

著者: 水口公信 ,   下山直人 ,   森口弥生 ,   蝶間林一美

ページ範囲:P.2574 - P.2575

 痛みがひどく,鎮痛薬の効果は少なくなり,1日中ベッドの上で点滴を受ける状態が続くと,終末期の患者は睡眠障害,食欲不振,抑うつ,不安,攻撃,焦燥感,また精神症状も悪化し,せん妄状態に陥る.このような終末期の患者に最近,ターミナル・ケアの重要性が強調されてきた.すなわち,全人的な立場から死に直面する患者の心の動きを知り,患者がどのようなニーズをもっているかなど心理機制を適切に把握することが,疼痛対策に大きな役割を演ずるからである.筆者らは,痛みをもつ癌患者の精神状態を知るために種々の心理テストを行い,心理療法を実施する際の指標としている.以下その概略を述べる.

放射線療法

著者: 青木幸昌 ,   西川潤一

ページ範囲:P.2576 - P.2577

●末期癌における痛み
 末期癌における疼痛は患者の肉体的精神的社会的障害として,その残余生存期間において多大な苦痛を強いる主たる原因の一つである.これらの発生機序は表のごとくに分類される1).これらの機転のうち,A),B),C)およびF)は骨転移(転移性骨髄腫瘍),骨髄腫および障害部位近傍の原発・転移性腫瘍の直接進展によるもの,D)は管腔臓器原発腫瘍および近傍深在リンパ節腫大によるもの,E)は主として浅在性リンパ節腫大や近傍実質組織の原発・転移性腫瘍によるもの,G)は皮膚,軟部組織の原発・転移性腫瘍によるものが多い.
 一方,これらの疼痛発生機転の存在は通常,患者担癌状態が制御不可能な段階(ターミナルステージ)にあることを示唆しており,その除痛治療は患者の肉体的精神的社会的予後を統合的に判断する,いわゆるターミナルケアの一環として実施されなければならない.

ホスピス・ケア

著者: 千原明

ページ範囲:P.2578 - P.2579

 癌患者の終末期医療の中で大きな比重を占める痛みのコントロールについては,ようやく軌道に乗ってきたと思われるが,全人的医療(Holistic Medicine)の観点からすれば,その必要性が強調されてはいるものの,未だに十分に実践されているとは言い難い.
 ここでは終末期医療の一つの形であるホスピスについてその思想を紹介し,ホスピス・ケアの重要性について述べたい.

心の痛み

心の痛みとは

著者: 村山良介

ページ範囲:P.2580 - P.2581

●痛みというもの
 幻肢痛という疾患をご存知ですか.手や足を切断した後で,なくなった手足に疼痛を訴える疾患です.はじめは誰でも驚きます.ない手足は痛むことはありえないからです.次に,切断したところの神経が痛みを起こすのだろうと考えるものです.そして,切断端の神経をブロックしたり,切除したりします.それでも治らないのです.時にはもっとひどくなります.ここで,はじめて幻肢痛という特別な疼痛が存在することを認めることになります.
 今日の医学で教えられる疼痛というものは神経の自由終末が刺激され,それが神経を通り,後根から脊髄に入り,視床下部から視床に達して,感覚中枢に伝えられて痛みを感じられるものなのです.その中枢は中心前回が主なものであると考えられています.

精神医学療法

著者: 森温理

ページ範囲:P.2582 - P.2583

 精神科を訪れる患者が訴える痛みは多種多様である.痛みはその人の主観的な感覚や表現に頼る部分が多く,非常に大げさに表現する人もいれば,がまん強い人もいる.また,その人の心理状態によっても感じ方が違い,例えば,不安や心配が強いときは,ちょっとした痛みでも,とても苦痛に感じられる.
 このように,痛みの治療に関しては,単に痛みの原因の除去のみに目を向けるのではなく,精神医学的心理学的なアプローチも大切なことが分かる.

バイオフィードバック療法

著者: 緒方洋一 ,   渡辺克己

ページ範囲:P.2584 - P.2585

 心身療法の一つとして最近注目されているものにBiofeedback(BF)療法がある.その臨床応用は多岐にわたり,片頭痛,筋収縮性頭痛などの神経系疾患を筆頭に,内科,耳鼻咽喉科,リハビリテーションなどにも及んでいる.痛みに対しても筋電図1)やα波2)BF治療の効果が報告されている.ここではBF療法の概念,臨床応用について紹介したい.

最近のトピックス

PCA(Patient-Controlled Analgesia)

著者: 小川節郎

ページ範囲:P.2586 - P.2587

 われわれは頭痛を感じた時など,自分自身で市販の頭痛薬を服用することにより痛みをコントロールしている.すなわち,患者自身により,鎮痛薬の量や服用回数を調節しているのである,一方,入院中の患者では,痛みを有する患者の内,十分に満足のゆく鎮痛を得ている例はそれらの4分の1程度でしかないとの報告もされている.たしかに術後疼痛の場合では,痛みは手術に伴う"しようがないもの",あるいは"一時的なもの"として受けとめられ,十分な治療の対象として考慮されない.また癌の痛みのように激しく,かつ四六時中,長期間続く痛みに関しても,医療者側が行う鎮痛薬投与の制限により,患者の満足のゆく鎮痛が得られていないことも稀ではなく存在する.すなわち,入院中の患者の疼痛に対する鎮痛法は,痛くない者,すなわち医療者側の手に委ねられているのであり,図1に示したように,患者の鎮痛の要求は長い道程を経てやっと手に入るのである1)
 これらの長い道程を経ることなく,患者自身の判断と,ボタンを押すといった簡単な機械の操作により,患者の鎮痛の要求にあわせて鎮痛薬が投与されるような鎮痛法をPCA,Patient-Controlled Analgesia法2)と呼ぶ.次に,本法の実際につき述べる.

座談会

癌性疼痛と不定愁訴をめぐって

著者: 田上恵 ,   平石禎子 ,   末松弘行 ,   花岡一雄

ページ範囲:P.2589 - P.2598

 花岡(司会) 本日は「癌性疼痛と不定愁訴」についての座談会を催そうということでお集まりいただきまして,大変ありがとうございました.
 癌性疼痛にはいろいろな発生機序がございますが,いずれにしても痛みというものが出ればそれは非常に巌しい痛みとなります.しかしながら癌の初期においては痛みの発生が非常に少ないということで,そういうことも治療を遅らせる原因の1つになっているわけです.このために痛みが出てきた時は癌の方もかなり進んでおりますので,その場合の痛みの治療法がなかなか難しい状況です.

理解のための10題

ページ範囲:P.2600 - P.2602

カラーグラフ 冠動脈造影所見と組織像の対比・10

急性心筋梗塞(冠動脈完全閉塞例)

著者: 堀江俊伸

ページ範囲:P.2606 - P.2608

●冠動脈造影上,完全閉塞を示し,剖検にて閉塞性血栓を確認した例
 症例 71歳,男
 現病歴 5年前に前壁中隔梗塞を発症し,近医にて加療中であった.
 10月15日外出中,急に前胸部痛が出現した.しばらく静かにしていたがおさまらないため,近医を受診した.心電図上,II,III,aVFにおいてST上昇を認めたため,梗塞発症3時間後に当院へ入院した.入院時血圧は70mmHgであった.一時,状態の改善をみたので冠動脈造影を施行した.

Oncology Round・4

慢性リンパ性白血病との鑑別が問題となった悪性リンパ腫の1例

著者: 片山勲 ,   前田昭太郎 ,   稲福睦美 ,   今泉孝敬 ,   中山義章 ,   恩田怜子

ページ範囲:P.2619 - P.2623

 リンパ球由来の悪性疾患は,リンパ性白血病と悪性リンパ腫に2大別されている.しかし,個々の症例については,そのいずれと呼ぶべきか決め難いことが少なくない.とくに従来,慢性リンパ性白血病chronic lymphocytic leukemia(CLL)と呼ばれてきたものの中には,最近の20〜30年間にCLLとは別個のものとして分離独立されたいくつかの類縁疾患が含まれているが,その中でもlymphosarcoma cell leukemia(LSCL)と呼ばれるものは,名のごとく,白血病とリンパ腫の両性格を兼ね備えており,一方的に白血病ともリンパ腫とも決め難い疾患である.今回提示するのは,この辺の概念と問題点を掘り下げて考えるのに好都合な症例である.

非観血的検査法による循環器疾患の総合診断

非脱出性右房粘液腫の1例

著者: 大木崇 ,   福田信夫 ,   細井憲三 ,   河野智彦 ,   青山好美 ,   森博愛

ページ範囲:P.2626 - P.2634

■心音・心機図所見
 心尖部(Apex)と第3肋間胸骨左縁(3L)における心音図および頸静脈波曲線(Jug.)の同時記録(図2)において,異常所見は次の4点である.①I音の減弱,②II音の病的分裂,③3Lの拡張早期過剰心音,および④頸静脈波曲線におけるa波の増高,v波の出現遅延とy谷の著明な浅減化.
 I音(I)の減弱は,P-Q時間(0.21秒)の延長によるためである.II音分裂間隔(IIA-IIP)は約60msecと幅広く,その原因として完全右脚ブロックによる病的分裂が考えられる.3Lに限局する拡張早期過剰心音(Ex)は,その出現がII音肺動脈弁成分(IIP)より約40〜45msec遅れており,かつ頸静脈波曲線v波の頂点から予測される三尖弁開放時点よりも明らかに早期であることから,三尖弁開放音とは考え難く,心外性あるいはIIPの副成分の可能性を考慮すべきである.以上のように,これらの心音図異常はいずれも本例の病態を診断する際の直接的所見とはいえない.

グラフ 消化管造影 基本テクニックとPitfall

大腸(8)—癌と鑑別すべき良性疾患

著者: 松川正明 ,   西澤護

ページ範囲:P.2636 - P.2642

 西澤 今日は,癌と鑑別の難しい良性のポリープ,腺腫,あるいは過形成のポリープについてです.良性のポリープと癌との鑑別はなかなか難しいのですが,癌でも茎のある方が深達度も浅く,比較的早期で,良性のものが多いと一般にいわれています.良性ポリープの話にはいる前に,形,大きさを含め有茎性のsmとm癌を図1,2で説明してください.
 松川 図1は有茎性で,表面になだらかな凹凸がありますが,大体平滑に近い状態で,茎もわりあいとスカート状に認められます.大きさは大きいのですが,表面の状態からいうと悪性だとしてもfocalなもので,m癌であることが多いと思います.

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・19

大動脈炎症候群

著者: 杉下靖郎

ページ範囲:P.2646 - P.2651

概念
 大動脈と大動脈に近い基幹動脈の特殊炎症とその瘢痕収縮により,狭窄や狭窄部前後の拡張をきたし,眼底の乳頭周囲花環状動静脈吻合,脈なし病,大動脈縮窄,腎血管性高血圧,大動脈弁閉鎖不全,大動脈瘤などの症候のいくつかを呈する疾患を,「大動脈炎症候群Aortitis syndrome」(上田)1,2)という.大動脈およびその分枝のみならず,同じく弾性動脈である肺動脈を侵すことも少なくなく,時々そのための症状が前景に出ることもある.かって大動脈弓部分枝の閉塞を主徴として,頭部虚血と撓骨動脈拍動を欠如した症例に特有な眼底所見がみられることを発見した高安の名をとって,国際的には高安動脈炎の呼称も用いられる.上記の眼底所見(乳頭周囲花環状動静脈吻合)は,高安眼底と呼ばれる.

演習

目でみるトレーニング

ページ範囲:P.2610 - P.2617

検査

検査データをどう読むか

著者: 布施川久恵 ,   伊藤機一 ,   安藤泰彦

ページ範囲:P.2652 - P.2655

◇血小板減少症の鑑別
 表2,3のように,血小板減少には先天性のものと後天性のものがあり,後天性のものは血小板の産生低下によるもの,破壊・消費充進によるものに分類される.
 この症例は顆粒球Döhle小体様封入体,巨大血小板,血小板減少があり,遺伝性であることよりMay-Hegglin anomalyと考えられる.巨大血小板が出現し,血小板減少を呈する他の遺伝性疾患としてBernard-Soulier症候群がある.Bernard-Soulier症候群は,常染色体劣性遺伝で血管内皮下組織に対する血小板粘着障害と,血小板リストセチン凝集の低下が認められる.この障害は,vonWillebrand病患者と異なり正常人血漿では補正されない.これはvon Willebrand因子レセプターと考えられる血小板膜glycoprotein I b-IX複合体が欠損しているためとされている.一方,May-Hegglin anomalyでは血小板膜glycoproteinは正常と報告されている.この症例では,巨大血小板,血小板凝集能(ADP,コラーゲン,リストセチン)正常,血小板粘着能正常,血小板膜glyco-proteinも正常の泳動パターンを示し,顆粒球中にDöhle小体様封入体が認められたことより鑑別した.

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「medicina」第26巻 総目次

ページ範囲:P. - P.

基本情報

medicina

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN 1882-1189

印刷版ISSN 0025-7699

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