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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 痛みの診断とその対策 痛みの診断

頭部の痛み

著者: 谷川達也1

所属機関: 1東京女子医科大学・脳神経外科

ページ範囲:P.2486 - P.2488

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 頭部の痛みには頭皮の外傷や皮膚疾患による表在性の痛みもあるが,臨床的に問題になるのは深部痛としての頭痛である.深部痛はその特徴の一つとして投射痛を伴うので,頭痛では痛みの発生部位と感じる部位がしばしば異なる.また,悩みごとがあれば「頭痛のタネ」といわれるように,頭痛の発現には精神的なストレスや緊張が関与していることが多く,これらのことが頭痛の発現機序を複雑にしている要因である.
 実際の臨床では,頭痛患者の大部分は,頭痛自体が疾患の本態である片頭痛などの慢性頭痛症である.しかし,頭痛の診断で最も重要な点は,頭蓋内外の器質的疾患による頭痛を見極めることである.また慢性頭痛患者についても,各頭痛型の鑑別診断に基づいた的確な治療を行う必要がある.したがって,診療の際には,頭痛の性状や随伴症状を含めた詳細な病歴聴取と理学的検査を行い,必要に応じてCTなどの臨床検査をすすめることが大切である.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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