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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 痛みの診断とその対策 痛みの対策

物理療法

著者: 石田肇1

所属機関: 1日本医科大学・理学療法科

ページ範囲:P.2550 - P.2553

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 「物理療法」は広義には,(1)運動療法,(2)狭義の物理療法,(3)義肢,装具療法,(4)その他(自助具,車椅子,ME機器)などを包含するものであり,リハビリテーションの重要な武器と考えられているが,狭義には自然界を支配する物理的法則を疾病の治療,予防に応用する療法で,「光線,温熱,水,寒冷,電気」などの物理的手段を応用する療法である.古くから医学的経験則によって疼痛患部を湿布,温器法,温浴などで温めたり,氷嚢や冷湿布などで冷やしたりして鎮痛効果を挙げて来たことは物理療法の応用と考えられる.またその治療効果を考える時に,「全身的な効果」と「局所的な効果」が挙げられる,また一般に疼痛に関しては運動器の疹痛では,「疼痛〜筋緊張〜循環障害〜疼痛」の悪循環が見られるし,同様に分娩などに際しての産痛は,「不安〜筋痙直〜痺痛」の悪循環が考えられ,物理療法はこの悪循環の鎖をどこかで断ち切ることを目的としている.また物理療法の鎮痛効果としては,忘れてはならないことは,身体的な弛緩のみならず精神的な弛緩,安静,疾病に対する動機づけによる心理的効果が大きな役割を果たしていることを始めに強調しておく.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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