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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

文献概要

今月の主題 痛みの診断とその対策 末期癌の痛みの対策

放射線療法

著者: 青木幸昌1 西川潤一1

所属機関: 1東京大学医学部附属病院分院・放射線科

ページ範囲:P.2576 - P.2577

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●末期癌における痛み
 末期癌における疼痛は患者の肉体的精神的社会的障害として,その残余生存期間において多大な苦痛を強いる主たる原因の一つである.これらの発生機序は表のごとくに分類される1).これらの機転のうち,A),B),C)およびF)は骨転移(転移性骨髄腫瘍),骨髄腫および障害部位近傍の原発・転移性腫瘍の直接進展によるもの,D)は管腔臓器原発腫瘍および近傍深在リンパ節腫大によるもの,E)は主として浅在性リンパ節腫大や近傍実質組織の原発・転移性腫瘍によるもの,G)は皮膚,軟部組織の原発・転移性腫瘍によるものが多い.
 一方,これらの疼痛発生機転の存在は通常,患者担癌状態が制御不可能な段階(ターミナルステージ)にあることを示唆しており,その除痛治療は患者の肉体的精神的社会的予後を統合的に判断する,いわゆるターミナルケアの一環として実施されなければならない.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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