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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

文献概要

講座 図解病態のしくみ 循環器疾患・19

大動脈炎症候群

著者: 杉下靖郎1

所属機関: 1筑波大学臨床医学系・内科

ページ範囲:P.2646 - P.2651

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概念
 大動脈と大動脈に近い基幹動脈の特殊炎症とその瘢痕収縮により,狭窄や狭窄部前後の拡張をきたし,眼底の乳頭周囲花環状動静脈吻合,脈なし病,大動脈縮窄,腎血管性高血圧,大動脈弁閉鎖不全,大動脈瘤などの症候のいくつかを呈する疾患を,「大動脈炎症候群Aortitis syndrome」(上田)1,2)という.大動脈およびその分枝のみならず,同じく弾性動脈である肺動脈を侵すことも少なくなく,時々そのための症状が前景に出ることもある.かって大動脈弓部分枝の閉塞を主徴として,頭部虚血と撓骨動脈拍動を欠如した症例に特有な眼底所見がみられることを発見した高安の名をとって,国際的には高安動脈炎の呼称も用いられる.上記の眼底所見(乳頭周囲花環状動静脈吻合)は,高安眼底と呼ばれる.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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