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文献詳細

雑誌文献

medicina26巻13号

1989年12月発行

文献概要

検査

検査データをどう読むか

著者: 布施川久恵1 伊藤機一1 安藤泰彦1

所属機関: 1東海大学医学部・臨床病理学教室

ページ範囲:P.2652 - P.2655

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◇血小板減少症の鑑別
 表2,3のように,血小板減少には先天性のものと後天性のものがあり,後天性のものは血小板の産生低下によるもの,破壊・消費充進によるものに分類される.
 この症例は顆粒球Döhle小体様封入体,巨大血小板,血小板減少があり,遺伝性であることよりMay-Hegglin anomalyと考えられる.巨大血小板が出現し,血小板減少を呈する他の遺伝性疾患としてBernard-Soulier症候群がある.Bernard-Soulier症候群は,常染色体劣性遺伝で血管内皮下組織に対する血小板粘着障害と,血小板リストセチン凝集の低下が認められる.この障害は,vonWillebrand病患者と異なり正常人血漿では補正されない.これはvon Willebrand因子レセプターと考えられる血小板膜glycoprotein I b-IX複合体が欠損しているためとされている.一方,May-Hegglin anomalyでは血小板膜glycoproteinは正常と報告されている.この症例では,巨大血小板,血小板凝集能(ADP,コラーゲン,リストセチン)正常,血小板粘着能正常,血小板膜glyco-proteinも正常の泳動パターンを示し,顆粒球中にDöhle小体様封入体が認められたことより鑑別した.

掲載誌情報

出版社:株式会社医学書院

電子版ISSN:1882-1189

印刷版ISSN:0025-7699

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