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文献概要
今月の主題 内科医のための癌治療のオリエンテーション 癌発生と転移のメカニズム
癌と染色体異常
著者: 小峰光博1
所属機関: 1群馬大学医学部・第3内科
ページ範囲:P.196 - P.197
文献購入ページに移動 疾患に特異的な染色体異常としてフィラデルフィア染色体(Ph1染色体)が報告されたのは1960年Nowellらによってであり,すでに30年近くが経過した.この間,癌発生と染色体異常の関係は多くの注目を集めたが,両者の因果関係について鋭いメスが加えられ理解が深まったのは比較的最近のことといえる.多くの染色体分析の試みの中からしだいにある種の異常が一定の順序を経て変動することにも気づかれた.
固型癌においてもランダムでない染色体異常が,グリオーマ,髄膜腫,子宮頸癌などで知られるようになったが,一般にヒトの固型腫瘍組織を材料にした成績は著しく限られている.転移により胸水や腹水中に浮遊した癌細胞は著しく多彩な染色体異常を示すことが多いが,意味づけが困難となる.それはその癌の進展過程が最終段階に達してしまった時期を見ていることとも関連する.
固型癌においてもランダムでない染色体異常が,グリオーマ,髄膜腫,子宮頸癌などで知られるようになったが,一般にヒトの固型腫瘍組織を材料にした成績は著しく限られている.転移により胸水や腹水中に浮遊した癌細胞は著しく多彩な染色体異常を示すことが多いが,意味づけが困難となる.それはその癌の進展過程が最終段階に達してしまった時期を見ていることとも関連する.
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